キノコに異変、猛暑で生育大幅遅れ 岩手県内、品薄続く

岩手菌類研究同好会の採取会でキノコを探す高橋久祐さん、椿希ちゃん親子。猛暑の影響で例年に比べて量も種類も少なかった=盛岡市湯沢・都南つどいの森

 記録的な猛暑が続いた岩手県内で、秋の味覚のキノコに異変が生じている。地中の温度が下がらずに生育が大幅に遅れ、天然物が店頭に出回らない状況となっている。涼しくなって収量が平年並みに回復するかは不透明で、イベントの内容変更を迫られたケースも。マツタケも例年より2~3週間遅れており、旬のキノコを求める業者や愛好家は、やきもきする日々が続きそうだ。

 岩手菌類研究同好会(橋本政樹会長)は23日、盛岡市湯沢の都南つどいの森でキノコの採取会を開いた。会員18人が思い思いの場所で探したが、量、種類ともに例年より少なかった。長女椿希(つばき)ちゃん(4)と参加した日本特用林産振興会認定きのこアドバイザーの高橋久祐さん(45)=紫波町上平沢=は「猛暑の影響などで、成長が大きく遅れている」と分析する。

 通常は地中の温度が下がる9月初めからキノコの旬が始まるが、今年はまだ序盤の状況。橋本会長(69)は「涼しくなっても、例年通り収穫できるかは分からない」と話す。

© 株式会社岩手日報社