26都道県394人に・吉田屋食中毒

 青森県八戸市の駅弁製造・販売業「吉田屋」の駅弁が原因の食中毒で、八戸市保健所は26日、患者数は25日現在で1都1道24県の394人に上ったと発表した。23日の発表では1都20県の270人だったが、商品の流通経路が明らかになるとともに新たな患者が判明した。青森県の患者も1人から5人に増加。同保健所は26日、同市の製造施設に改めて立ち入り調査を行い、原因となった施設や食材、菌の経路を調べている。

 患者の都道県別の内訳は静岡100人、東京と福島が43人、埼玉39人、福岡27人、宮城25人など。これまで10人が入院し、1人を除き26日までに退院した。

 青森県はこれまで八戸市の1人だったが、同市以外の4人が新たに判明した。今月16、17日、県内に複数店舗があるスーパーでも同社の駅弁を販売していた。

 吉田屋は体調不良の報告があった商品として12種類を公表。だが同保健所の集計では、食中毒を発症した人が食べていた同社の駅弁は18種類となった。

 一方、同社の吉田広城社長は、15、16日に製造した駅弁は、米飯の一部を県外の委託業者から仕入れたと公表している。

 同保健所によると、この業者は岩手県内にあり、14日夜に約700キロ、15日夜に約800キロを吉田屋に納品。吉田屋は自社の米飯を使う際、通常は温度を30度以下で盛り付けるが、14日夜に到着した米飯は温度が高く、45度から冷ました後に盛り付けたという。

 同保健所の石井敦子副所長は26日、「吉田屋が検査用に保存していた米飯や食材からは食中毒の原因となる菌は検出されていない。予断を持たずに原因を突き詰めたい」と述べた。

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