正武旗剣道大会を復活 小松市が24年度、27年ぶり

保管されている正武旗を確認する宮橋市長(左)=小松市役所

  ●新幹線生かし 全国から高校の強豪集う

 小松市は、かつて全国の剣道強豪高が小松に集って腕前を競った「正武旗(しょうぶき)争奪剣道石川大会」を来年度、27年ぶりに復活させる。来年3月16日に開業する北陸新幹線小松駅と小松空港を生かし、スポーツの大会開催や合宿誘致を積極的に推進する第1弾となる。市と市剣道協会、北國新聞社などでつくる実行委員会が主催する計画となっている。

 計画では、今月に小松市内で開催された市剣道協会主催の錬成大会を来年度に格上げし、正武旗の大会とする。かつての正武旗にはなかった女子部門を創設し、大会旗を製作する予定。今年の大会は桜丘高、金沢高、星稜高が主管しており、市などが今後、高校関係者と運営体制を相談する。地元の桜木剣正会が運営に協力する。

 正武旗は1988(昭和63)年に初開催され、全国24校が団体戦で競った。市によると正武旗の名称は、加賀藩13代藩主前田斉泰(なりやす)から高く評価された武士で小松市園町に道場を開いていた金子吉平(吉兵衛)正武(まさたけ)(1795~1858)にちなんで付けられた。

 全国からトップクラスの男子選手が集ったものの、地元関係者が大規模な大会の運営に苦心し、48校が出場した1997(平成9)年の第10回で幕を閉じた。優勝校に贈られる正武旗が現在も保管されている。

 市は、空港と新幹線駅の両方が石川県内で唯一そろう利便性を生かそうと、正武旗の復活を企画した。宮橋勝栄市長は「観光は一度の訪問で終わるかもしれないが、スポーツ大会は継続的な参加が見込める。開催や誘致に力を入れていきたい」と話した。

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