青山さん世界バド初V 35歳以上男子単 茨城・つくば国際大高教員

バドミントンの世界シニア選手権で優勝した青山真さん(中央)。つくば国際大高では部活動を指導する=土浦市真鍋

バドミントンの実業団選手から高校の教員に転身したつくば国際大高(茨城県土浦市真鍋1丁目)の青山真さん(39)=同県阿見町が、今月韓国で開かれた世界シニア選手権の35歳以上男子シングルスで初優勝した。同校のバドミントン部で監督を務め、男女とも団体で関東大会出場を果たす実績を残す。「挑戦する気持ちを伝えていきたい」と力を込める。

青山さんは阿見町出身で、吉原小3年の頃にバドミントンを始めた。阿見中、藤代高、青山学院大を経て、2007年に仙台市を拠点とするNTTグループ東北(現東北マークス)入りした。

「指導者に恵まれていた。いつかはバドミントンを教える立場になりたい」と考えていたところ、県バドミントン協会の誘いもあり、13年に実業団を退いて帰郷。つくば国際大高で教えながら、他校のコーチを務めた。

14年には同校にバドミントン部が設立され、監督に就任。創部2年目には女子団体で関東大会出場を実現し、その後は男子団体も続いた。自身もプレーヤーとの「二刀流」で、18年には全日本教職員選手権の30歳以上シングルスで頂点に立った。

地元で木材加工を営む父親が仕事で指を切断するけがを負ったため、20年度末でいったん退職し、家業の手伝いに取り組んだ。ただ「嫌で教員を辞めたわけではない。教えるのも諦めたくない」との思いが残った。周囲の支えもあり、今年4月に非常勤講師として同校に復帰。家業を支えつつ、教壇に立つ。

これまで以上の上位進出を目指して挑んだ昨年の全日本シニアでは3位に食い込み、世界シニアへの出場権を獲得。世界選手権出場経験者を含む各国・地域の強豪たちと熱戦を繰り広げた。「強い相手と戦うのが本当に楽しかった」と振り返る。

今後の目標は、指導するバドミントン部を団体で全国大会に導くことだ。「自分が勝つより、生徒が勝つ方がうれしい」。指導者として心境の変化を実感する。ともに2年で部長の笠井朋恵さん(16)と小林和真さん(16)は「私たちももっと大きな舞台に立ちたい。上を目指したい」と、監督の活躍に刺激を受ける。

照準を次の世界シニアにも合わせる青山さん。自身が大切にする諦めない姿勢を生徒たちに見せ続けると誓う。

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