連続放火にそれぞれの勇気、初期消火の4人に感謝状 京都・福知山

初期消火に当たって延焼を防いだとして、福知山市消防本部から感謝状を贈られた市民ら(市消防防災センター)

 京都府の福知山市消防本部は、5、6月に市内の神社や空き家で相次いだ連続放火事件で、初期消火に当たった市民4人に感謝状を贈った。澤田晴彦消防長は「不審火が続き、住民に不安が広がった。被害拡大を防いだ勇気ある行動に敬意を表したい」とねぎらった。

 同本部によると、5月24日午後3時ごろ、同市前田で空き家の軒下が燃えているのを、隣に住む会社員阪本陸さん(21)がペットの犬が外に向かってほえているのに気付いて発見。自宅のホースを使って火を消し止めた。

 6月17日未明には、同市堀の一宮神社で本殿付近から火の手が上がっているのを、近くの駐車場にいた会社員藤田陸斗さん(23)と福知山淑徳高3年の藤田龍良さん(18)が目撃。境内の消火器2本を使って消防車が到着するまでの10分間、消火活動を続けた。

 同18日午前2時半ごろ、土師宮町のホームセンターで起きた不審火では、近くの会社員佐藤靖志さん(47)が店の裏に移動する不審な人影を目撃。店に近づくと、入り口付近の商品などが燃えており、店の消火器を使って延焼を食い止めた。

 9月22日に同市東羽合町の市消防防災センターで感謝状を受け取った藤田陸斗さんは「怖い気持ちはあったが、小さい頃から通っていた一宮神社の全焼を防ぐことができて良かった」と話した。

 また6月23日に同市談で起きた車両火災で、軽トラックに乗っていた70代男性を救出し、バケツで消火に当たった近くの足立保彦さん(76)と、作業療法士の仲野剛由さん(36)=同府綾部市岡町=にも感謝状を贈った。

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