こどもたち運営のカフェも! 熊谷の空き店舗で「かみくまのじかん」 10店が出店、市民らでにぎわい

米穀店だった空き店舗でカフェを運営する子どもたち

 埼玉県熊谷市の秩父鉄道上熊谷駅近くの上熊谷商店街で23日、商店街マーケット「かみくまのじかん」が初めて開かれた。上熊谷駅前広場や空き店舗などにベーグル店や古書店など10店が出店。子どもたちが運営するカフェや、スタンプラリー、細い路地を楽しむワークショップもあり、大勢の市民でにぎわった。

 JR高崎線と秩父鉄道の踏切から南へ約150メートルの間に形成された上熊谷商店街。かつては30店舗あったが、高齢化などで現在営業しているのは8店舗。こうした状況から、商店街では空き店舗の活用や将来の商店街をけん引する担い手の発掘に向け取り組んでいる。今回のイベントもその一環。県が行う商業振興の専門家を派遣する事業を活用した。

 上熊谷商店街会長の馬場員夫(かずお)さんは「商店街を何とかしたいという思いからイベントを企画し、今年の春ごろから準備を進めて来た」と話した。

 子どもたちが運営するカフェは、市内でグローバルキッズを養成するNPO法人AEAと、市内のカフェ「Naked Roasters coffee」がコラボで出店。子どもらは、事前に埼玉縣信用金庫が実施しモノの値段の決め方などを学ぶ「マネーリテラシー講座」を受講した。

 カフェの運営に参加した中学2年生の赤井絆蔵(はんぞう)さんは「思ったより多くのお客さんが来てくれ、商品をスムーズに渡せなかった」と少し残念そう。AEA代表理事の赤井由紀子さんは「カフェを運営した子どもたちは、お金のことも学べたと思う」と手応えを感じていた。

 商店街で永楽屋豆腐店を営む八須和芳さんは「イベントに訪れた皆さんに、湯葉や寄せ豆腐なども販売していることを知ってもらいよかった」。近くでキルト教室「布あそび」を主宰する大塚恒子さんは「工房に立ち寄ってくださった多くの方々に、キルトの楽しさを紹介できました」と喜んでいた。

 専門家として関わった合同会社「本庄デパートメント」の早川純さんは「マーケットを訪れる人たちに商店街や周辺の環境を知っていただき、空き店舗でお店を始めようと興味を持つ人が現れてもらえれば」と展望を話した。

スタンプラリーのポイントの一つとなった永楽屋豆腐店。多くの参加者が立ち寄った(早川純さん提供)

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