刈り払い鎌用の刃に「細工」 大船渡の鍛冶職人、U字の溝施す

「作業効率が格段に上がる」と自身が考案した鎌の特長を語る熊谷鈴男さん

 大船渡市三陸町綾里の鍛冶職人熊谷鈴男さん(78)は、造林に欠かせない刈り払い用の鎌に溝を施した「U字刃を設けた刈り払い鎌」を考案した。「わずかな細工」だが、溝のおかげで作業効率が格段にアップするといい、特許庁に意匠登録出願した。

 今は草刈り機もあるが、狭い場所だったり勾配が急だったりと、造林の現場で鎌は欠かせない道具。ただ、切れが悪くなると刃が滑り、クズなどのつるを刈り払うには、相当な体力を要するという。

 刃の摩耗を防ぎ、切れを持続させるため、熊谷さんが目を付けたのがU字の溝だった。刃の内側のカーブ部分に細工を施すことで、草やつるが溝に引っかかり、強力に押さえ付けて刈ることが可能になった。溝の場所や数など調整を重ね、納得のいく鎌にたどり着いた。

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