「新しい経済生む」 JR九州・古宮洋二社長 西九州新幹線開業1年、アミュ新館見据え2年目に自信

「2年目は開業1年目の実績を超えるのが目標」と語る古宮社長=福岡市、JR九州本社

 9月23日に開業から1年を迎えた西九州新幹線(武雄温泉-長崎)。JR九州の古宮洋二社長は長崎新聞などのインタビューに応じた。開業以降の利用者実績が、新型コロナウイルス禍前とほぼ同じ水準で推移していることから「大きなトラブルなく順調」と評価。11月のJR長崎駅ビル「アミュプラザ長崎新館」の開業を見据え、「2年目は1年目を絶対に超える」と自信を見せた。
 西九州新幹線の利用者は、開業した昨年9月23日から今年8月22日までの11カ月間で221万6千人で、1日平均6600人。新型コロナ禍前の2018年度同期の在来線特急(諫早-長崎)の利用者より2%多かった。九州新幹線(博多-鹿児島中央)では、新型コロナ禍前の85%程度しか回復していないことから「この15%の差は西九州新幹線の開業効果と評価できる」と説明。武雄温泉、嬉野温泉の新たなエリアを経由するようになり「新しい人の流れや経済圏が生まれている」と語った。
 整備方式が決まっていない新鳥栖-武雄温泉については、関西圏からの利便性や西九州エリアの経済効果の面から「乗り換えなしの直通運行が望ましい」と強調。九州新幹線の全線開業によって熊本市や天草市の交流人口が増加した事例を挙げ「佐賀県全般にさまざまなプラス効果が出る」と訴えた。その上で「国と佐賀県との議論を見守りつつ、私たちが話をする場面があれば(協議の場に)出向きたい」と述べた。
 今後のダイヤ改正については、在来線特急リレーかもめ(博多-武雄温泉)の一部で、在来線の特急みどり(博多-佐世保)を利用しているため、時間帯によって混雑が生じていると指摘。「利用状況を見ながら(混雑を緩和する)対策を検討したい」との意向を示した。

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