“看板ヤギ”のメーたろう 子どもたちの動物愛はぐくむ 長崎・田手原「へんちくりん」

豊田さん(左端)から説明を受け、メーたろうと触れ合う子どもたち=長崎市、「自然のあそびば へんちくりん」

 竹林や里山を舞台に自然体験活動ができる長崎市田手原町の「自然のあそびば へんちくりん」で、“看板ヤギ”のメーたろう(雄6歳)が子どもたちの動物を愛する心をはぐくんでいる。
 「へんちくりん」は同市のNPO法人「環境保全教育研究所」(豊田菜々子代表理事)が約1.5ヘクタールの敷地で竹林などを整備。2011年から子どもらを受け入れている。
 「ヤギは牛などと同じ(飲み込んだ食べ物を再び口に戻して咀嚼(そしゃく)する)反すう動物で、胃袋が四つあります」。今月16日、デイキャンプで訪れた学童クラブの小学生に豊田さんが説明する。子どもたちは恐る恐るメーたろうの頭をなで、「かわいい」と笑顔を見せた。市立西城山小2年の森下旺祐君(7)は「(毛が)ふわふわしていた」、母親のゆかりさん(39)は「自然に近い姿で見ることはなかなかないので、いいなと思う」とそれぞれ話した。
 豊田さんがメーたろうを飼い始めたのは6年前。除草や獣害対策に加え、訪れる子どもたちに「動物と触れ合ってほしい」と考えたのがきっかけだった。
 知り合いからヤギの赤ちゃんを譲り受け、子どもたちに名前を出し合ってもらい、最終的に投票で決めた。自然の中で遊びや生き物観察などを体験する活動の場に年間500~1500人ほどの親子連れなどが訪れるが、メーたろうはすっかりアイドル的な存在になっている。
 道路沿いの駐車場近くで草をはむ姿は愛らしく、地域住民らからも親しまれている。豊田さんは「地元の保育園児たちが歌をつくって歌ってくれたこともあった」と目を細める。ぺんぺん草が大好きな「草刈り隊長」はきょうも子どもたちを待ちわびている。

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