三陸鉄道の赤字、過去最大7.1億円 23年度決算見通し

 三陸鉄道(宮古市、石川義晃社長)は26日、2023年度決算で経常損失が7億1902万円となり、過去最大の赤字額となる見通しを示した。新型コロナウイルスの5類移行やNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の再放送効果などで観光客の回復が進むが、車両や線路の修繕費、原油価格の高騰が響き厳しい経営が続く。

 同日の取締役会で示した。経常損失は当初計画比で赤字幅が7505万円拡大。1984年の開業以来、最大の赤字だった21年度の6億9015万円を上回る見込み。運賃収入は3億3793万円と観光利用などの回復を見込み、前年度比11.5%増とした。

 同社によると、赤字は車両や線路など点検修繕の費用がかさむことが要因。外部に業務を委託する必要があり、修繕費は2億6998万円と同28.3%増を見込む。燃料費高騰も経営を圧迫し、1リットル当たりの軽油価格は21年度の2倍程度に膨らんだ。

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