茨城・かすみがうら市 県自治紛争委で調停へ 旧ごみ施設解体費支出

霞台厚生施設組合が運営するごみ焼却施設。左奥は解体予定の旧施設=小美玉市高崎

石岡、小美玉、かすみがうら、茨城の茨城県内の4市町でごみ処理を担う霞台厚生施設組合(小美玉市)の旧施設解体費に関し、かすみがうら市が支出を拒否している問題で、同市が組合の支出督促を不服として、県の自治紛争処理委員に調停を申し立てることが26日、明らかになった。同日の市議会定例会最終日で関連議案が可決。市は近く県に申し立てを行う。

同委員は地方自治法に基づき自治体間の争いを協議する非常設の第三者機関。設置自体が珍しく、県によると、2003年に阿見町議長の除名処分取り消しを審議して以来、20年ぶり4例目。

申し立て案によると、構成4市町の負担で解体すると決定された旧焼却施設の解体費について、かすみがうら市は、施設を実際に使っていた石岡、小美玉両市の負担で解体するよう同組合に求める。4市町が過去に構成していた別の事務組合では、旧施設を解体する際の費用は当該自治体の負担となっており、地方財政法や地方自治法に基づき負担の妥当性や公平性がない、としている。

かすみがうら市は、前市長時代にいったん支出を受け入れたものの、宮嶋謙市長が就任した昨年7月以降、設計費など関連費用400万円の支払いをストップしている。

旧施設の解体は今年8月、一般競争入札で業者が決まり、解体費は当初見込みの12億円前後を大幅に下回る約7億4千万円(税込み)と決まった。

県市町村課によると、同委員は有識者など3人を任命して構成。60日以内に調停案を作成し、当事者に受け入れを勧告する。受諾には同市議会と組合議会の可決が必要。調停案に法的拘束力はないという。

同市は結果にかかわらず調停案を受け入れる方針。同組合は取材に「早く解決したい思いは変わらず、円満な解決方法を探りたい」としている。

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