都内からヘリで直行...「1人数百万円」奥日光2泊3日ツアー 栃木県が企画、訪日客富裕層に照準

「ザ・リッツ・カールトン日光」

 インバウンド(訪日客)や観光消費額の拡大を目指し、栃木県は26日、外国人富裕層をターゲットにした奥日光での2泊3日のツアーを今秋に計画していることを明らかにした。東京都内からヘリコプターで直行し、ホテル「ザ・リッツ・カールトン日光」に滞在。紅葉などの自然巡りや、旧イタリア大使館別荘を貸し切ったディナーを盛り込んだ。モデル事業として実施し、効果を検証する。

 同日の県議会一般質問で説明した。「紅葉の時期の奥日光でラグジュアリーな体験を満喫するスペシャルプラン」と題した事業で、コロナ禍で落ち込んだ訪日客の回復を図る観光庁の「観光再始動事業」に採択された。事業費は2023年度一般会計9月補正予算案に1500万円を計上しており、旅行会社を通じ10月ごろ販売される。

 都内と本県の間はヘリで移動し、所要時間は片道1時間程度。道路渋滞に遭わずに紅葉シーズンの奥日光を満喫できる。滞在中はガイドの案内で奥日光の自然を見て回るほか、旧イタリア大使館別荘で県産農産物を使ったディナーなどを楽しむ。旅行代金は団体の参加人数によって異なるが、1人当たり数百万円になるという。

 ツアー後は参加者へのアンケートを行い、専門家の意見を取りまとめるなどして事業の効果を検証。結果は市町や観光事業者と共有する。石井陽子(いしいようこ)県産業労働観光部長は「高付加価値商品の創出を県全域で促進し、本県の観光消費額を拡大していく」と述べた。

 加藤雄次(かとうゆうじ)氏(とちぎ自民党議員会)の質問に答えた。

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