上々の出来だが… 悩みはクマ食害 ワイン用ブドウ収穫本格化 青森・むつ市川内町

たわわに実ったライヒェンシュタイナーを収穫するスタッフ

 青森県むつ市川内町で下北ワイン用のブドウの収穫が本格化している。今年は収量・質ともに上々の出来だが、8月下旬以降、クマによるとみられる食害が続き、現在も安全に気を使いながらの作業が続いている。

 11.3ヘクタールに及ぶブドウ畑では20日から収穫を開始。26日は、ワインを製造するサンマモルワイナリーのグループ会社・エムケイヴィンヤードのスタッフら15人が、白ワイン用の品種「ライヒェンシュタイナー」を一房ずつはさみでつるから切り離し次々と籠に入れていった。エムケイ社の築舘文徳圃場(ほじょう)管理部長によると、1日4トンほど収穫できる日もあるという。

 一方、食害を防ぐため、わなを仕掛けたり、エンジンをかけてライトを点灯させた車を夜に置いたりするなどの対策を取ってきたが目立った効果はなく、19日までの被害は約2万房(約2390キロ)に拡大。被害額はワイン換算で約570万円に上っている。

 収穫は来月上旬まで続く予定で、スタッフは圃場に入る際に笛を鳴らすなどして作業を行っている。築舘部長は「安全対策を取りつつ早く収穫を終えられるようにしたい」と話した。

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