もう一度思い出の日本へ 92歳元米軍兵、72年ぶり三沢基地(青森県)訪問

三沢基地のジョンソン軍曹(左)にメッセージ入りのスタンドと自らの歴史を記した書類を手渡すウエマツさん

 1950~51年に三沢基地に駐在していた元米軍兵の日系2世ウエマツ・ノリオさん(92)=米カリフォルニア州在住=が26日、72年ぶりに同基地を訪問した。ウエマツさんは、関係者に案内されて基地内を見て回り、当時に思いを巡らせた。

 ウエマツさんは米軍三沢基地に駐在当時、対空砲に関する任務でジープの運転手を務めていた。その頃、共に働き、家に招かれるなど交流のあった三本木町(現十和田市)に住んでいた大工の男性の家族の消息を知りたいと2015年、東奥日報社十和田支局に協力を求め、同市を訪れたが特定に至る情報は得られなかった。

 今回、90歳を過ぎてもう一度日本に行きたいと切望。訪日に際し、同州の知り合いの仲介で基地の訪問が実現した。

 パティ・ヒラハラさん(68)と5年ぶりに来日したウエマツさんはこの日、初めに同基地のジャオトイ・ジョンソン軍曹に見学を記念した自作のスタンドと自らのストーリーを書いた書面を贈呈。その後、基地の概要や施設などの説明を受け、見学ツアーへ。航空機の大型模型と写真撮影したり、戦闘機が飛び立つ様子を眺めたりした。

 訪問を終え、ウエマツさんは「当時は建物もなく、狭かった。ここまで広いと思わなかった」とすっかり変わった基地に驚いた様子。「今回の経験は全てが素晴らしかった」と感激していた。

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