4年前はWRC2で優勝。勝田貴元「ベストを尽くし、いい週末にしたい」/2023年WRC第11戦チリ 事前コメント

 9月28日(木)から10月1日(日)にかけて、南米のチリを舞台に実施されるWRC世界ラリー選手権第11戦ラリー・チリ・ビオビオ。2019年以来4年ぶり、WRCイベントとしては2度目の開催となる“今季最後のグラベル(未舗装路)ラリー”に向け、トヨタ、ヒョンデ、Mスポーツ・フォードの各ラリー1陣営からチリ戦に挑むドライバーたちの意気込みが届いている。

■Mスポーツ・フォードWRT

●オット・タナク(#8 フォード・プーマ・ラリー1)

「今年は、このラリーの大半が新しくなっているようだ。天候もここでは大きな役割を果たす。でもそれぞれのステージを合わせると、ニュージーランドやウェールズの森で経験したものとよく似ているはずだ」

「スポーツはどんな状況であれ、つねに最大限の努力をするものだ。またほぼ新しいイベントになるので、どのようなステージを目にすることになるかはわからない。全体的なリズムの点では、チリには曲がりくねった低速な部分から、高速でスムーズな部分まで、あらゆる種類のステージがあった」

「新しい道路はいつも困難なものだ。ペースノートを完璧にするのにさらに努力が必要になる。海外でのかなりユニークなイベントだから、マシンのセットアップを推測して、決めたことのすべてがSS1のスタートに到着した時に正解であるよう願わないとね!」

●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)

「初めてチリに行くのは素晴らしい経験になるだろう! 南米でのラリーは僕にとって初めての経験だから、うれしいよ。このラリーはとても素晴らしいイベントになりそうだ。僕が知る限りでは一部の場所はかなり滑りやすい。つまりクレバーになっていかなるミスも避け、ラインを保つことがとても重要だということだ。ミスをする余地はあまりない。面白いラリーになると思うよ」

●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)

「ラリー・チリでの挑戦は、もちろんトップカテゴリーで走ることにある。走行中もチームといる時も、僕たちにとってはすべてが新しい。メカニックもエンジニアも、違う人たちと仕事をすることになるからね。素晴らしい挑戦が待ち構えている」

「僕にとってチリは初めて訪れる場所だ。さらに、ほとんどのステージが新しいものなので、以前のオンボード映像はあまりあてにできない。それでもラリーを楽しみにしているし、全力を引き出してこのイベントを満喫したい。週末の間にペースを改善し、ラリー1のマシンでのフルな走行経験を感じ取れるよう願っている」

●アルベルト・ヘラ―(#28 フォード・プーマ・ラリー1)

「このラリーにとても興奮している。母国で行われる国際ラリーでドライブすることをうれしく思うよ。これは僕にとって素晴らしい機会だ」

「マシンを道路の真ん中に置いて走り抜け、コーナーごとにスピードを上げていきたい。でも最初の課題はラリーをフィニッシュし、仲間たちと楽しみ、思い出に残る素晴らしい経験をすることだ!」

Mスポーツ・フォードWRTのフォード・プーマ・ラリー1(オット・タナク)

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)

「ラリー・チリは過去に一度しか走っていないし、今回は新しいステージがたくさんあるから、準備にあたって以前の経験はあまり役に立たない。そのため、レッキがとても重要になる」

「前回のチリは大きなクラッシュに見舞われてかなり厳しいものだったが、今年は良いラリーにして週末を表彰台で終わらせることを目標に臨む。そのためには一貫性とマシンの素晴らしいフィーリング、そして路上でうまく機能するセットアップが必要だ。こうしたことすべてがそろえば、速さを発揮できるだろう」

●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)

「準備のためにまずやることは、2019年の自分のオンボード映像を見ることだ。でも今年は新しいステージがたくさんあるんだ。また、さまざまな条件の下で路面がどうなっていたか、マシンの感触はどうだったかということを思い出してみる。難しいセクションがいくつかあるが、全体的にこのラリーはかなり高速で、エストニアやフィンランドを思い出させる」

「ただし、それらのイベントではあったグリップレベルは、チリでは得られない。最も過酷なラリーというわけではないから、マシンを労ることを考えすぎる必要はないよ。でも速さを出すために自信を持たなければならない。いつもどおり、目標はポディウムフィニッシュだ」

●テーム・スニネン(#3 ヒョンデi20 Nラリー1)

「このイベントのステージのほとんどは新しい場所だから、準備の仕方は違ってくる。レッキで優れたペースノートを作ることが、成功の鍵になる。チリの道は通常は高速だけどテクニカルな部分の割合が少々高いから、ラリー・エストニアやラリー・フィンランドほどの速さはないと予想している」

「路面はかなりスムーズだから、マシンが保つかどうか考え込む必要はないだろう。最初から最後まで、限界でプッシュできるはずだよ。完全に自分たち自身に集中し、フィンランドでのペースを改善して、できる限り上位でフィニッシュすることを目指している」

ヒョンデ・シャル・モビスWRTのヒョンデi20 Nラリー1(ティエリー・ヌービル)

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「ギリシャは自分たちにとって良い結果となり、選手権争いではふたたび有利になったように感じるが、ラリー・チリは大きなチャレンジになりそうなので、集中して臨む必要がある」

「このラリーに前回はR5(現ラリー2)車両で参加し、いい戦いをすることができました。しかし、それから4年が経っているし、新しいステージも多く加わったので、きっと新しいラリーのように感じられるだろう。誰にとってもチャレンジングなイベントになると思うよ」

「ステージはいい道だけど、非常にトリッキーなコンディションになるかもしれず、グリップレベルが大きく変わることもあるだろう。それでも楽しみだし、自分たちにとって良いラリーになることを願っている」

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「2019年に初めて出場したラリー・チリは素晴らしいイベントだったが、非常にチャレンジングでもあった。ステージはウェールズを少し思い出させるところがあるけれど、今回のラリーは前回と開催時期が異なり、同じステージは数本しかない」

「ほとんど新しいラリーのようなものだし、新たに多くのペースノート書き起こす必要があるため、難しいラリーウイークになるかもしれないね。過去の知識はあまり活用できないが、それでも楽しみだよ。今回はもちろん、シーズンの最後まで全力を尽くして臨むつもりだ」

●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「4年ぶりに出場するチリは、自分たち全員にとって大きなチャレンジになると思います。2019年にWRC2カテゴリーで出場し、いい週末を過ごすことができたのは素敵な思い出です。ただし、トップカテゴリーのクルマで出場したことはないので、今回は自分にとって大きな挑戦です」

「ステージはかなり高速ですが、非常にトリッキーでもあり、新しいステージも多くあります。チームにとっても自分にとっても、非常に重要なラリーになるでしょう。そう簡単にはいかないと思いますが、ベストを尽くし、いい週末にしたいと思っています」

TOYOTA GAZOO Racing WRTのトヨタGRヤリス・ラリー1

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