指折りの神楽団が新たな歩み 半世紀以上率いた団長が勇退 10月には新団長で迎える初の舞台へ

半世紀以上にわたり神楽団を率いた団長が勇退し、新たな歩みを始めています。

広島県安芸高田市を拠点に活動する「横田神楽団」です。団員はおよそ20人。数々の競演大会で優勝を重ね県内でもトップクラスの実力を持つ神楽団です。練習の様子を真剣に見つめるのは、久保良雄 さんです。

1966年から団長に就任し、ことし3月までおよそ57年間、神楽団を率いてきました。神楽を行ううえで大切にしていることがあります。

前団長 久保良雄 さん
「神楽というのは奉納が原則。神様へ感謝をする。競演でいくら時間がない言うても欠かしちゃいけない。それだけはうちは守っている」

守ってきたのは、秋の五穀豊穣に感謝して神様を迎え、舞う “神楽本来の精神” です。

神楽団の団長を引き継ぐのは…

久保さんから団長を引き継いだのが、谷本陽荘 さんです。

横田神楽団 谷本陽荘 団長
「自分が物心ついた時から久保さんは団長で、横田の人にとっても久保さん以外の団長はたぶん知らない。今でも自然と団長って言ってしまいますよね」

谷本さんは、「横田神楽団を守っていきたい」と話します。そこで、若い団員の育成に力を入れます。若い団員は舞台で舞う機会が少なく、途中であきらめて、やめてしまう人もいました。若い団員に多くの舞台を経験して神楽の魅力を肌で感じることで、次の世代を担う存在になってほしいといいます。

横田神楽団 谷本陽荘 団長
「若い子を尊重しながら育てていきたいですね。そこはなんとかつないでいきたい」

10月には、「中四国神楽フェスティバル in ひろしま」が控えます。中四国神楽フェス in ひろしまは、中四国9県の伝統文化芸能団体・保存会が集結する中四国文化の集いです。

谷本さんが団長に就任し、初めて迎える大きな舞台。演目に選んだのは、「紅葉狩」です。

横田神楽団 谷本陽荘 団長
「紅葉狩という演目は華やかで派手。ここぞというときは紅葉狩を舞います」

新しい団長のもとで横田神楽団の挑戦が始まります。

「中四国神楽フェスティバル in ひろしま」
10月8日(日) 上野学園ホールにて開催 開場9時・開演10時
広島での開催は11年ぶりということです。

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