屋根修理詐欺か 男7人を逮捕 主に高齢者を狙ったとみられる卑劣な犯行の実態とは…(静岡県)

必要のない屋根瓦の修繕工事を行い、現金をだまし取ったとして、警察は、男7人を逮捕しました。主に高齢者を狙っていたとみられる卑劣な犯行。その実態とは…

捜査員に連れられ、ゆっくりとした足取りで警察署の中に入っていく男。詐欺などの疑いで逮捕されたのは、神奈川・小田原市の屋根瓦修繕業の男(28)と、自称・建築業の男(29)、20代から30代の男、あわせて7人です。警察によりますと、7人は2023年4月下旬、静岡・富士宮市内に住む70代の女性の家を訪れ、必要のない屋根瓦の修繕工事をして、現金約64万円をだまし取った疑いがもたれています。

逮捕された7人は、神奈川県小田原市を拠点に「グッドライフホーム」という業者を名乗り、1軒あたり50~280万円で、必要のない工事を繰り返していたとみられています。この業者による被害は、静岡や山梨などで100件以上確認されているということです。屋根瓦修繕業の男(28)と、自称・建築業の男(29)が犯行を主導したとみられ、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」などを使って指示を出していたとみられています。2022年12月、複数の被害者から相談された静岡県からの連絡をうけ、警察が捜査を続けていました。

25日、取材に応じてくれたのは、警察の捜査に協力し、実際に被害者の自宅を見たという屋根瓦の修理業者。業者の男性は、ずさんな工事に驚いたといいます。

(屋根修繕業者)

「許せない。うちらも商売している。ちゃんとした仕事をしている自負があるのに、何も知らない人たちが瓦を勝手にいじって、雨漏りの原因を作っていることが許せない」

逮捕された男7人は、防水用の「コーキング剤」を大量に使用し、屋根瓦を無理やり固定していたといいます。

(屋根修繕業者)

「ここから全部塗っている。プロからしてみれば、水がここに流れる。そうすると、ここには絶対に塗らない。雨漏りの原因になる」「やらない工事を彼らはやって、金をもらっている」

県によりますと「屋根瓦の修繕工事」に関する相談はここ5年で倍以上に…。高齢者から「台風が来たら雨漏りするので修理した方がいいと言われたが高額なので解約したい」といった相談が相次いでいるということです。主に高齢者を狙った卑劣な犯行。警察は、逮捕した7人の関係性など、事件の全容解明を進めています。

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