「鹿沼箒」作り手の思い感じて 30日と1日、大谷でイベント 即売やトークショー

鹿沼箒を「つくる」人たち展のチラシ

 【宇都宮】「鹿沼箒(ほうき)を『つくる』人たち展」が30日と10月1日の両日、大谷町の「OHYABASE(オオヤベース)」で開かれる。県伝統工芸品「鹿沼箒」を手に取って購入できる展示。今回、生産に携わる作り手たちの思いを知ってもらおうと、トークショーを初めて行う。

 鹿沼箒は江戸時代後期から作られている座敷箒でハマグリ型の形状が特徴。現在は鹿沼市村井町の「きびがら工房」3代目増形早苗(ますがたさなえ)さん(46)が唯一の作り手。箒の柄は増形さんの夫で江戸和竿(ざお)職人の智志(さとし)さん(46)が担当し、材料のホウキキビはユニバーサル農業に取り組む同市内の市民団体「活きいきこっとん村」と就労継続支援B型事業所「わたの実」が栽培する。

 展示はオオヤベース管理人の蔵所千尋(くらしょちひろ)さんが大谷地区に近い同市内に伝わる箒の工芸品としての良さや、農福連携を活用して材料を地元で栽培する過程に共感し、企画した。2021年に始まり、4回目。

 会場には今年制作された鹿沼箒や小箒、端材を活用した干支のきびがら細工、ホウキキビのリースが並ぶ。ホウキキビの実で染色した糸を使った小物や革職人による革製ちりとりの販売、本格的な和竿による金魚釣り体験などもある。

 トークショーは両日午後2時から。初日は材料の生産者らが登壇し、農福連携による栽培の意義について語り、2日目は増形さん夫妻らが鹿沼箒に取り組む背景や思いについて話す。蔵所さんは「手仕事の良さを知ってもらいたい」と来場を呼びかけている。

 午前11時~午後5時。入場無料。(問)オオヤベース028.678.8657。

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