因果関係あれば賠償対象 処理水放出の風評被害に原賠審

 文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)の内田貴会長は、27日の審査会で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出による風評被害について、原発事故の賠償基準である国の中間指針に基づき「個別具体的な事情に応じ、事故との相当な因果関係が認められれば賠償の対象となりうる」との考えを示した。

 中間指針は、避難を巡る賠償のほか、農林漁業や食品の風評被害に対する賠償の考え方も定めている。この日の審査会では東電が処理水への対応状況を説明し、損害が発生した場合は迅速に賠償するとした。内田会長は「政府の基本方針を踏まえ、被害の実態に見合った賠償を適切に行っていただきたい」と述べた。

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