将棋の藤井、初の全八冠へ王手 王座戦で2勝目

将棋の第71期王座戦5番勝負第3局で永瀬拓矢王座に勝利し、大盤解説会場であいさつする藤井聡太七冠=27日夜、名古屋市

 将棋の第71期王座戦5番勝負第3局は27日、名古屋市で指され、挑戦者で先手の藤井聡太七冠(21)=竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=が81手で永瀬拓矢王座(31)を破り、対戦成績を2勝1敗とし史上初の全八冠制覇にあと1勝と迫った。藤井七冠は残り2局のうち、1勝すれば王座奪取となる。

 2017年に過去最多の八大タイトル戦となり、藤井七冠が初めて全冠独占に挑んでいる。タイトルが複数になってから全冠を独占したのは3人。羽生善治九段(53)は七冠時代、故大山康晴15世名人は五、四、三冠、故升田幸三実力制第4代名人は三冠の時にそれぞれ達成している。

 5連覇を目指す永瀬王座は後がなくなった。第4局は10月11日に京都市で行われる。

 対局は中盤以降、永瀬王座が端から攻めてペースを握った。終盤、藤井七冠は追い込まれたが、スピード感ある反撃で逆転、競り勝った。藤井七冠は「結果は幸いしたが、苦しい将棋だった」。永瀬王座は「引き続き、精いっぱい頑張りたい」と話した。

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