オカムラ食品工業(青森県)東証上場、初日はストップ高 「地元経済の起爆剤に」

東証スタンダード市場への上場を記念して鐘を打つ岡村氏=27日午前、東京・日本橋
東証の細村執行役員(右)から上場通知書を受け取る岡村氏=27日午前、東京・日本橋
東証で記念撮影する岡村氏(中央)らオカムラ食品工業の関係者=27日午前、東京・日本橋

 サーモン養殖、水産品の加工・販売を手がけるオカムラ食品工業(青森市、岡村恒一代表取締役社長兼最高経営責任者=CEO)が27日、東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場した。初値は2564円と、公開価格の1680円を50%以上上回り、ストップ高の3065円で初日の取引を終えた。

 青森県企業の新規上場は、金融を除き、2007年のユニバース(八戸市、アークスとの経営統合に伴い上場廃止)以来、およそ16年ぶり。

 岡村社長は同日午前、東証の細村武弘執行役員から上場通知書を受け取り、鐘を鳴らして上場を祝った。

 取引終了後の記者会見では「株価が高く、非常に責任を感じている。期待を裏切らないよう、計画以上の実績を達成するために努力したい」と意欲を語った。

 上場に伴って調達した資金は、サーモンの中間養殖場建設や加工設備の増強などに充てる方針。岡村社長は「上場はゴールではなく、これをきっかけに成長したい。サーモン養殖を成功させ、苦しい状況にある地元漁業者の方々に勇気を与えたい。また、地元経済の起爆剤になればうれしい」と述べた。

 オカムラ食品工業は1971年創業。グループで養殖、国内加工、海外加工、海外卸売りの4事業を柱としている。近年力を入れているサーモン養殖は、2005年にデンマークの養殖会社を買収して技術を取得、17年には深浦町に子会社・日本サーモンファームを設立し、同町と今別町で「青森サーモン」のブランド名で養殖している。

 24年6月期の連結業績予想は、売上高325億9800万円、営業利益19億4900万円、純利益12億3400万円を見込む。

 県内の上場企業は、プロクレアホールディングス(青森市)=プライム市場、東北化学薬品(弘前市)、サンデー(八戸市)=ともにスタンダード市場=と合わせ計4社となった。

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