大相撲、体格基準を事実上撤廃へ 新弟子検査、門戸開放

かつて新弟子検査の身長測定では背伸びをする受検者もいた。右は玉ノ井親方(元大関栃東)=2012年12月、両国国技館

 日本相撲協会が大相撲の力士志望者に実施する新弟子検査の体格基準を、事実上撤廃することが27日、協会関係者の話で分かった。近年の力士数減少を打開するための門戸開放が目的で、来年1月の初場所から導入される見込み。身長と体重の検査基準が明文化された1932年以降、基準がなくなるのは初めて。

 現行の基準は身長167センチ以上、体重67キロ以上(春場所受検の中学卒業見込者は165センチ以上、65キロ以上)。新方式では、これに満たない志望者に体力テストを受けさせた上で合否を判定する。関係者は「体が小さくても、相撲経験者や運動神経のある子がいるはず。一人でも多くの新弟子に入ってきてほしい」と語った。

 大相撲ブームに沸いた90年代は力士数が急増。貴花田(後の横綱貴乃花)が初優勝した翌場所の92年春場所で160人が受検し(合格者は151人)、年間では223人が合格と、いずれも過去最多を記録した。2006年以降の年間新弟子数は2桁が続き、少子化や競技人口の減少に悩まされている。

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