震災うつ懸念、初認定3割 心のケアが課題、北海道厚真町

地域の集まりの場でトラウマの特徴を説明する北海道厚真町住民課の杉山効平主任=8月、北海道厚真町

 2018年9月の北海道地震後、北海道厚真町(人口約4300人)が住民に毎年実施している心の健康に関する調査で、今年、回答者633人中44人がうつ病などの懸念が強い「ハイリスク者」と判定されたことが24日、町への取材で分かった。うち13人(約30%)は初認定で、震災から5年たった今も心のケアが課題となっている実態が浮かんだ。担当者は「1件ずつ丁寧に分析、対応する必要がある」と話す。

 町によると、調査は被災者の心の状態を定点把握するため、19年から年1回実施。町の健康診断を受けた35~74歳にアンケート用紙を配り、「音や揺れに過剰に反応する」「寝付きが悪い」など12項目に「はい」か「いいえ」で答えてもらう。

 今年6月の調査では、44人がうつや心的外傷後ストレス障害(PTSD)などのリスクが高いと認定され、うち13人が新規だった。年齢や性別との相関は見られなかったという。他は、15人が昨年に続きハイリスク者とされ、16人は以前も認定されたことがあった。

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