ルイ・デレトラズは、2024年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のフルタイムシートを獲得するうえで、LMP2クラスにおける成功が大きな要因となったと評価している。
このスイス人ドライバーは、来季2台体制となるウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ・オートスポートでジョーダン・テイラーと組み、ウェザーテック選手権のGTPクラスでフルシーズンを戦うことが決定している。
■スーパーライセンスは手に入れた。だけど……
デレトラズは2023シーズン、リッキー・テイラーとフィリペ・アルバカーキに加わる形でアキュラARX-06の10号車に乗り、ミシュラン・エンデュランス・カップにおけるサードドライバーを務めている。
キャリアの初期にはADAC GTマスターズでBMW、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ／エンデュランス・カップでポルシェなど、散発的にGT3レースに参戦していたが、デレトラズがスポーツカーレースを本格的に始めたのは2021年のこと。前年にレベリオン・レーシングからル・マン24時間レースデビューを飾った彼は、LMP2レースで成功を収めた。
デレトラズはチームWRT、そしてプレマとチームを跨いでELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズの2連覇を達成し、2023年のWEC世界耐久選手権では先日の第6戦富士で今季2度目のクラス優勝を果たし、最終戦を残してLMP2ランキングで首位に立っている。
一方、北米のウェザーテック選手権では、タワー・モータースポーツのジョン・ファラノのLMP2タイトル獲得に貢献し、昨年はプチ・ル・マンでクラス優勝も飾っている。
デレトラズはLMP2での成功について「それが間違いなく、僕を有名にしたと思っている」と語った。
「FIA F2に参戦した後、F1のスーパーライセンスは手に入れていたし、テストもした。だけど、僕がF1に上がれるチャンスはかなり小さかった」
「それでも僕はLMP2に参加したけど、だれも僕を知らなかった。人々はその名前は知っていても、何ができるかは知らなかった。そして過去3年間、僕らは競争力を発揮してきた」
「もちろん、ロバート・クビサと一緒に戦ってきたから、人々は僕の名前をより知るようになったのだと思う。勝つたびに、人はその歴史に新たな一行を書き込むものだ」
「それは間違いなく、僕の助けになったと思う。あとは、ヨーロッパ時代から僕を知っているフィリペ・アルバカーキがここ（IMSA）にいてくれることもね。彼はアメリカ僕に多くのことを教えてくれたから、とても助けられたよ」
「彼はアメリカでのよきメンターであり、僕がここにいることについて感謝しなくてはいけない人物のひとりだ」
デレトラズは、WTRアンドレッティでのフルシーズンドライバーへの昇格は、長年の夢の実現だと付け加えた。
「とても素晴らしいことだよ。アメリカに来て、サードドライバーとしての役割を得たときから、GTPかハイパーカーでフルタイムドライブをすることが目標だったんだ」
「ものごとはとてもうまくいっているし、アキュラとウェイン・テイラー・レーシング、このコンビはとても強力で、総合優勝を狙うには最高のシートのひとつだと思う」
「だから来年が本当に楽しみだ。ジョーダンにはたくさんの経験がある。また、僕たちはすでに親しい友人だと思う。いまのところ仲が良いし、楽しみだよ」
デレトラズはまた、2023年のエンデュランス・カップでの経験がアキュラGTPプラットフォームを理解するのに役立ったと評価し、それが来シーズンに有益になると語った。
「これは大きな助けになると思う」とデレトラズ。
「総合的にみて、僕は毎年クルマを乗り換えてきたし、適応するのに苦労はしなかった。それでも、ハイブリッド（システム）を搭載したクルマはとても複雑なものだ」
「週末ごとに手順が変わり、クルマも進化する。だから、チームと一緒にテストができたこと、（これから迎えるプチ・ル・マンを含めて）4つのサーキットを走れたことは、来年に向けて大きな助けになる」
「ジョーダンと僕がドライブするマシンのことを少しは知ることができたし、それに取り組むことができる。リッキーとフィリペが一緒だから、僕たちはさらなる経験を積むこともできるしね」
「だから、それは間違いなく重要なことだった。アキュラとウェイン・テイラー・レーシングのパッケージで継続し、同じクルマ、同じ手順、同じチームにとどまることは、僕にとって理にかなっていたんだ」
