茨城空港、着陸枠を拡大 県と国交省 増便へ弾力化

斉藤鉄夫国土交通相に要望書を手渡す大井川和彦知事と額賀福志郎氏(左から)=同省

茨城県の大井川和彦知事は27日、斉藤鉄夫国土交通相と面会し、茨城空港(同県小美玉市)の民間機の増便に向け、「1時間に1着陸」としてきた運航ルールの弾力化を求めた。これに対し、斉藤国交相は「ぜひ検討したい。県と連携して実現へ対応したい」と述べ、開港以来続いてきた着陸枠の弾力化で合意した。県は国交、防衛両省に要望していた。定期便の拡大につなげる考え。

大井川知事は、自民党の額賀福志郎元財務相(衆院茨城2区)と国交省で斉藤国交相と面会した。大井川知事らは、茨城空港の利活用促進に関する要望書を手渡し、便数増加のための着陸ルールの柔軟な運用の検討、増便を見据えた滑走路の改良など空港施設の機能強化-の2点を求めた。

会談は非公開で行われた。終了後、大井川知事と額賀氏は取材に対し、運航ルールの弾力運用について、斉藤国交相から「ぜひ検討したい。県がこれからの茨城空港の姿を描いて要求してもらえれば、国も県と連携して実現に向けて対応したい」との発言があり、ルールの見直しで合意したと明らかにした。

大井川知事は「前向きな回答を頂いた。発着枠の拡大へルールの運用変更をなるべく早く行いたい」と語った。詳細は今後詰める。

額賀氏も「茨城空港を羽田、成田(空港)に次ぐ首都圏第3の国際空港にし、地域経済を活性化させたい」と話した。

県と国交省、防衛省の3者は、茨城空港の開港以前に、航空自衛隊百里基地と民間共用に関する合意書を交わし、「民間機の1時間当たりの着陸便数は当面1便を基本とする」と定めた。その後の2010年3月、茨城空港は同基地との共用空港として開港した。

この「1時間枠」が開港以来、増便拡大へのネックにもなっているとして、県は「国内線、国際線とも航空会社からの希望に十分に応えることが難しい」としてきた。基本便数については「変更の必要が生じた場合、両省間で再検討する」とあることから、県は国に弾力化を求めていた。

大井川知事は着陸枠拡大により、ビジネスジェットの誘致にも意欲を示す。企業や富裕層が商用目的で使う小型ジェット機。近年は地方空港も受け入れ体制の整備を進めており、「茨城空港の発展のために大きなステップを踏みたい」と述べた。

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