JCO臨界事故「風化させぬ」 発生24年 茨城・東海村長が訓話

臨界事故から24年を迎えるのを前に職員に訓示する山田修東海村長=村役場

茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)で起きた臨界事故から30日で24年を迎えるのを前に、山田修村長は27日、村役場で職員に訓話し、「事故を風化させず、後世に語り継いでいく。村民の生命と財産を守り抜く覚悟と決意を持って職務に精励してほしい」と訴えた。部課長級の職員約40人と、事故後の2000年度以降に入庁した約60人が参加し、1分間の黙とうを捧げた。

山田村長は、村内の原子力事業所で火災事案が相次ぐ現状に危機感を示し、事業者に緊張感をもって事業活動に取り組むよう求めた。職員に対しては「原子力防災対応は村の重要な責務。村民の期待に応えるため一丸となって努力し続けよう」と呼びかけた。

村が年内公表を目標に策定を進める日本原子力発電東海第2原発の広域避難計画と、日本原子力研究開発機構の研究炉の事故を想定した屋内退避・避難誘導計画について、山田村長は「発災事業所の違いで避難の初動が異なることを住民に周知徹底する」と強調した。

訓話後、子育て支援課の青木颯汰さん(22)は「事故の風化を防ぐため、子どもたちに事故当時の状況を伝え、知ってもらう教育も大事」と述べた。

臨界事故は1999年9月30日に発生。作業員2人が死亡し、周辺住民ら約660人が被ばくした。

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