成長を続ける男性化粧品市場  5年で1.5倍に市場拡大

市場が拡大している男性化粧品についてお伝えします。調査会社によりますと、男性化粧品の市場規模はこの5年間で約1.5倍と拡大中で、今年も6月までの売り上げが前の年を上回るペースで伸びています。市場の内訳を見てみますと、特に化粧水などの基礎化粧品が5年前から100億円以上増えています。この5年間で男性の基礎化粧品を購入した人の割合は、10代・20代から60代・70代に至るまで、幅広い年代で増えています。購入金額も10代・20代で2倍近くになっているほか、その他の年代でも増えています。右肩上がりの成長が続く、男性化粧品市場の現場を取材しました。

記者:「ハンズ新宿店にやってきました。今人気が高まっている男性化粧品ですが、これだけ広いコーナーにこんなにも商品のラインナップがあるんですね」

今年6月に全面リニューアルしたハンズ新宿店では、3階のヘルス&ビューティーゾーンの売り場面積が2倍に拡大。男性化粧品のコーナーも洗顔料や化粧水だけでなく、ニキビの跡を隠して顔色も明るくしてくれる男性用の「BBクリーム」など、豊富な種類を取り揃えています。化粧品メーカーも、男性客が手に取りやすい商品の開発に力を入れているようです。

ハンズ新宿店 栗原さん:「こちらのブランドのパックなどは、女性のコーナーで人気のラインだったんですけど、最近男性ラインも出てきて、黒いパッケージになって男性でも手に取りやすくなっている。(Q:メンズラインができる前というのは、男性が女性用のものを買うというのがあったんですか?)ありました」

こうした「男性の美容意識」の高まりには、メディアやSNSの影響も大きいといいます。

ハンズ新宿店 栗原さん:「雑誌では「就活メーク」というワードが使われていて、就職活動とかする際にリモートであったり対面で接した際に、「印象アップ」や「顔を明るくする」と紹介する内容の記事になっていた」

記者:「実際の就活生はもちろんですけど、例えばその親御さんとかからも、息子におすすめしたいとかはあるんですか?」

ハンズ新宿店 栗原さん:「お問い合わせが増えてきていて、お母様とかから印象をあげるにはどうしたらどんなアイテムがおすすめですかと相談を受けることがあります」

今回取材して、売り場の広さと種類の豊富さに驚きました。こうした男性の美容意識が高まっている背景について、調査会社では次のように分析しています。

まず、コロナ禍で普及したオンライン会議で自分の顔を見る機会が増えたこと、またコロナ禍で通勤や飲み会にかけていたお金を使えるようになったこと、さらに男性もメイクをする韓流アイドルがブームになったこと、こうした要因があるのではということです。

市場が拡大する一方で、メンズコスメを使っているか、新橋で男性に聞いたところこんな声もありました。

60代:「あんまり乾燥するとたまに潤いが出るようなものはちょっと買ったりして使いますが、何がいいかわからないから下手に買えないっていうのもある」

20代:「化粧品を使っている先輩はいたりするんですけどね(自分はしない)。毎日その時間があるわけじゃないですか、ケアしないといけない時間、そこが大変だなと思う」

男性の化粧はまだ敷居が高いという声が聞かれましたが、裏を返せば、これからまだまだ市場が拡大する可能性を秘めている分野ともいえそうです。

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