弘南鉄道(青森県)、全線再開は10月中旬以降 レール測定法に誤り、摩耗基準値超え6カ所

運休が続いている弘南鉄道の車両=27日午後6時13分、弘前駅
列車の運休で「利用者にご不便をおかけしている」と述べ謝罪する成田敏社長(右から2人目)=27日午後3時56分、平川市の弘南鉄道本社

 弘南鉄道は27日、青森県平川市の本社で記者会見を開き、25日から運休している弘南線(弘前-黒石)と大鰐線(大鰐-中央弘前)の全線再開が10月中~下旬になるとの見通しを明らかにした。週明けの10月2日以降にバス代行を始めるほか、早ければ1週間から10日ほどで一部区間の運転を再開する。運休の原因は、レール側面の摩耗の測定方法が誤っていたのが判明し、正しい測定では基準値を超える摩耗が計6カ所見つかったため。

 同社は8月の大鰐線脱線事故を受けた安全管理強化の一環で外部機関に調査を依頼し、これをきっかけに9月21日、測定法の誤りが分かった。車輪との摩擦によりレールが変形するのを考慮せず測定していたという。

 レールの摩耗の再点検は25~27日に行った。基準値超えは弘南線と大鰐線それぞれ3カ所で、弘南線は弘前-弘前東高前、館田-平賀、境松-黒石の各1カ所、大鰐線は石川-義塾高校前1カ所と弘高下-中央弘前2カ所。いずれもカーブ区間で、2本あるレールのうち外のレールの内側だった。

 27日からレールの入れ替えなど応急処置を始め、弘南線弘前-平賀間などから区間運転再開を目指す。27日までの運休の影響は、弘南線が約1万5千人、大鰐線が約4700人だった。

 会見で成田敏社長は「利用者に大変不便をおかけし、申し訳ない。早期の運転再開に向けて努力する」と陳謝した。

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