【病院で3人死亡】家族の間に何が?一家を知る人は…「夫婦は仲良く、なぜ起きたか信じられない」(静岡・富士宮市)

静岡・富士宮市の病院で3人が死亡した事件で、妻と娘を刺した男は、2本の刃物を用意し、病院を訪れたとみられることが新たに分かりました。一家を知る人は、「夫婦は仲が良く、なぜ起きたか信じられない」と言葉を詰まらせていました。

病院内で3人が死亡するという衝撃的な事件から一夜、事件現場では…

( 宮下 楽 記者)

「午前9時過ぎです。捜査員が病院の中に入っていきます」

警察の現場検証が行われていました。事件は、JR富士宮駅から車で15分ほどの場所にある「富士脳障害研究所付属病院」で起きました。警察によりますと、27日、富士市に住む73歳の男が、入院患者の女性2人を刃物で刺したあと、自身も自殺を図り、3人が死亡しました。死亡した3人は家族で、刺された2人は、男の72歳の妻と、40歳の長女でした。27日、事件前の男を見たという近隣住民は…

(事件前に男を見た近隣住民)

「普段は車に乗って出たり入ったりして、姿が全然見えないけど、(きのう)男を久々に見てびっくりした。家の周りを出たり入ったりするのは珍しい」

この病院は、脳神経外科の専門病院として地域の“最後のとりで”とうたい、診療を行っています。病院関係者によりますと、長女は20年近く入院していて、妻も半年以上前から入院していたということです。また、73歳の男は、2日に1回ほどのペースで面会に訪れていて、長いときは1時間くらい滞在していたということです。この家族に何があったのか。3人を知る人に普段の様子を聞いてみると。

(3人を知る人)

「それはもう面倒見のいい。1~2年前も、この地域の班長をやった時も率先して夫婦でボランティアなど共同作業とか土手の草刈り作業とか、地域のために一生懸命頑張っていた姿を見ていた」

(3人を知る人)

「奥さんが倒れてから“こもっていた”から、こちらから声をかけるのも悪い、何も力になってあげられなかったのが残念」

警察や病院関係者によりますと、男は27日、いつものように3階にある療養病棟のナースステーションに立ち寄り、受付の名簿に「見舞い」と記入したといいます。その後、向かったというのが、家族が入院している4人部屋の病室。まず、長女が入院している部屋に入り、ベットの上で寝ている状態の長女を刃物のようなモノで刺すと…続いて、別の部屋に入院していた妻も刺し、その後、この部屋で自殺を図ったということです。妻の部屋のアラームが鳴り、看護師が見に行くと妻は倒れていて、男と長女はともに刃物が刺さった状態で見つかったといいます。捜査関係者によりますと、妻と長女は、ともに意思疎通ができない状態だったということです。また男は、刃物を2本用意し、病院を訪れたとみられることが分かっています。

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