LRT開業から1カ月 沿線の交通状況に変化はあったのか?

 宇都宮市と芳賀町を結ぶ路面電車LRT・ライトラインの開業から26日で1ヶ月が経ちました。慢性的な交通渋滞は緩和されたのか…。そのカギとなるのは通勤に車を使っていた人がどれだけLRTを利用するようになるかです。

 とちぎテレビでは、LRTの開業前と開業後に沿線の交通状況を調査しました。調査では、宇都宮駅東口から始まる鬼怒通りを出発し、LRTの終点芳賀・高根沢工業団地停留場まで車で走行した時にかかった時間を計測しました。一定の結果を得るために調査は毎回、木曜日に行い、通勤時間帯の午前7時半に始めることとしました。

 開業前は8月10日と24日に調査をおこないました。調査の結果、8月10日は44分、24日は47分かかりました。両日ともに鬼怒川にかかる柳田大橋の手前あたりから流れが悪くなりはじめ渡り切った先で渋滞が解消されました。

 続いて開業後の調査は8月31日と9月14日、それに21日に行いました。調査の結果、8月31日は54分、9月14日は44分それに21日は55分かかりました。開業前と比べて目立った渋滞の緩和は見られず、かかった時間も短縮されませんでした。

 今回の結果について宇都宮大学の地域デザイン科学部の長田哲平准教授は「道路走る人とLRTの乗客が新しい環境に慣れていないため変わらなかったか。少なくとも効果が出るまで数ヶ月はかかる」と分析します。

 一方で市は、LRTに対して交通渋滞の対策そのものよりも、多くの人が市内を移動できる公共交通ネットワークを作ることに重きを置いています。しかし、バスなどを含むすべての公共交通が円滑に機能するために、交通渋滞は無視できない課題です。

※映像内のテロップに誤りがあったため、訂正のうえ、再度掲載しました。

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