【MLB】あわや乱闘! プレーオフ争うマリナーズとアストロズが死球関連で一触即発

写真:ネリスの発言をきっかけに一触即発の事態に

勝てばプレーオフ、負ければ敗退。激しい争いが続くアメリカンリーグ西地区同士の直接対決で、一触即発の場面があった。

事件が起きたのは日本時間28日にマリナーズの本拠地セーフコ・フィールドで行われたアストロズ対マリナーズ。場面は6回裏二死1塁で、4−3とアストロズがリードしており、マウンド上にはヘクター・ネリス、打者はフリオ・ロドリゲスだった。

ネリスは2ストライクと追い込んだ状況からボールゾーンにスプリットを投じ、ロドリゲスは空振り三振。ネリスが見事に無失点に抑えた……と、そのまま終わればよかったのだが、ネリスはここでロドリゲスの方へつかつかと歩み寄り、スペイン語で二言、三言。これに対してロドリゲスが言い返すと、ネリスもさらに言い返し、両者が一気にヒートアップした。

ここでアストロズは一塁手のホセ・アブレイユが駆け寄り、ネリスを無理やり引き離して宥めるも時すでに遅し。両軍ベンチから選手やコーチが飛び出し、ブルペンからも選手が走ってくる事態となった。

火のないところに煙は立たないというように、当然このいさかいにも伏線があった。場面は移って前日、日本時間27日のアストロズ対マリナーズだ。6−2でアストロズが勝利した試合の中で、アストロズは2死球を受けており、そのうち1つはチャズ・マコーミックの背中に直撃した99mph(約160km/h)の速球だった。マコーミックはこの死球の影響で交代を余儀なくされており、アストロズ監督のダスティ・ベイカーは怒りを吐露していた。

ただ、MLB公式のマリナーズ番記者であるダニエル・クレーマー記者による記事によれば、両者の中に極端なわだかまりがあったというわけではないようだ。

そもそも、クレーマー記者によればネリスとロドリゲスは同じ代理人と契約しており、オフシーズンには共に自主トレをするほどの仲。むしろ良好な関係であり、ネリスはインタビューの中でロドリゲスを「友人」だと語っていたようだ。

ロドリゲスも後日広報担当者を通じて、ネリスから敵意を感じなかったこと、怒鳴られたことにショックを受けたというコメントを伝えている。彼らのコメントを見る限り少なくとも人間関係が大きく悪化したということもないように思われる。

ただ、両チームの関係が以前から少しぎくしゃくしているのは確かだ。今年7月8日の試合でもネリスのタイ・フランスへの死球をきっかけに両軍ベンチが飛び出す出来事があった。長年にわたって地区優勝を続けてきたアストロズと、近年リーグ上位に顔を出す機会が増えてきたマリナーズ。同地区のライバルゆえに、ヒートアップしてしまうのは仕方ない部分もあるのかもしれない。

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