犬の平均寿命が延びている理由4選!40年で倍になっているワケとは?

40年前は犬の平均寿命が7.2歳だった!?

20〜30年前まで遡ると、「犬は10年生きれば長生き」なんて言われていた時代もありました。しかし現在、日本国内の犬の平均寿命は14.65歳と明らかに延びていることがわかります。

公益社団法人『日本獣医師会』が公表している犬の平均寿命を見てみると、約30年前の1990年は平均寿命10〜11歳、約40年前の1884年は平均寿命7.2歳と今よりも倍近く低いことがわかります。

さらに1880年まで遡ると、平均寿命2.3歳と小動物と同じくらいの年齢までしか生き延びることができていなかったことがわかり、明らかに何らかの理由が影響して現代の平均寿命まで延びていることが窺えます。

犬の平均寿命が延びている理由4選

なぜ犬の平均寿命が40年で倍近く伸びているのでしょうか。ここでは、犬の平均寿命が延びている理由について考えてみましょう。

1.動物に関する医療の進歩

まずは動物に関する医療の進歩が挙げられます。これは犬だけに限ったことではありませんが、動物医療に関する研究が進み知識が増え、さらに治療法や治療薬が進化したことによって延命されていることが考えられます。

一昔前は病気になったとしても治療することが難しかった症状も、現在は動物病院で早めに診てもらえば治療してもらえたり、症状悪化を防いだりすることができるケースも多いです。

2.ワクチン接種や予防薬の投与の普及

一昔前は、ワクチン接種や予防薬の投与の重要性があまり浸透していませんでした。そのため、感染症にかかってしまい亡くなったり、免疫力が弱く治療する前に急激に症状が悪化してしまったりといった事例が多数報告されていました。

しかし、現在はワクチン接種や予防薬の重要性が広く知られるようになり、多くの飼い主さんが必要なワクチン接種や予防薬の投与を行っています。

そのため、感染症によって症状が悪化するリスクが下がり、免疫力が向上していることも寿命が延びている理由として挙げられるでしょう。

3.ドッグフードの品質が高くなっている

ドッグフードはもちろん、犬に与える食事の品質が向上していることも大きな理由として考えられます。一昔前は「残飯に味噌汁をかけたものを与える」なんて時代もありましたが、今考えると塩分過多やバランスの偏りなど、さまざまな問題点が浮上しますね。

現在市販されているドッグフードは、「総合栄養食」として栄養バランスの考えられた商品が多く販売されています。

また、特定の症状や病気を持つ犬には、動物病院で特別なドッグフードを処方してもらうことも可能なので、栄養をバランス良く摂取し、なおかつ愛犬に合った栄養成分を補給することができ長生きにつながっています。

4.飼い主が持つ犬の知識が向上している

そして飼い主が持つ犬に関する知識の向上も大きく影響しています。昔に比べて適切な食事や適切な運動量、生活環境の見直しなどが犬たちにとって健康的に暮らしにつながっているのです。

また、愛犬に配慮した生活環境は犬のストレス緩和にもつながります。ストレスは寿命と密接な関係があるためストレスを軽減してあげた結果、平均寿命が延びていることにつながっているとも考えられるでしょう。

平均寿命が延びたことで注目されている「健康寿命」

さまざまな理由によって、着実に犬たちの平均寿命が延びています。そこで、犬の長寿傾向によって注目され始めているのが「健康寿命」です。

健康寿命とは、寿命とは違い健康的な生活を送れる年齢を指します。いくら長生きしていたとしても、寝たきりの状態だったり認知症によって健常な生活を送れなければ、やはり悲しく感じてしまいますよね。

高齢期に入ればさまざまな病気や怪我に見舞われがちですが、なるべく健康的な生活を送れるよう、適切な食事の見直しや運動方法、生活習慣を早いうちから考えていくことが推奨されています。

まとめ

いかがでしたか。犬の平均寿命が延びている理由は、医療の進歩や食事の質の向上、さらに飼い主の知識の向上などが挙げられます。これからは愛犬が長く健康的に暮らせることを目標に、生活習慣などを定期的に見直してみてくださいね!

(獣医師監修:寺脇寛子)

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