【ベトナム】太陽光パネルの中国トリナ、第3工場を検討[製造]

中国の太陽光パネル大手、常州天合光能(トリナ・ソーラー)がベトナムで3カ所目となる新工場の建設を検討している。中国製パネルに対する米国の追加関税を回避することが目的で、4億米ドル(約597億円)~6億米ドルを投じてベトナムでの生産を強化する。ロイター通信が27日付で報じた。

トリナは現在、工業団地の選定作業に入っている。2025年に生産を開始する計画だが、ベトナムで深刻化している電力不足のリスクを慎重に評価しているという。パネルの主要部品であるセルか、部材となるシリコンウエハーを生産するとみられる。

ベトナムでの生産拡大により、米国の追加関税の回避を図る。米商務省は8月、トリナを含む中国企業5社が中国製パネルへの追加関税を逃れるためにタイ工場などを経由して迂回(うかい)輸出していると認定し、来年半ばから迂回輸出の疑いがあるパネルに追加関税を課すことを決めた。米政府は、中国政府が自国のパネル生産に不正な補助金を提供しているとして中国産パネルに制裁関税を課している。

トリナはベトナムで2工場を稼働している。1カ所はセル生産とパネルの組み立てを手がけている。もう1カ所は8月に稼働したばかりで、年650万キロワットのシリコンウエハーを製造している。

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