【マレーシア】東京ゲームショウ、マレーシア16社が出展[媒体]

東京ゲームショウのマレーシアブースで、MDECのアジズCEOと出展者が集合した=22日、千葉市(NNA撮影)

ゲーム制作や売買に携わる事業者、ユーザーを対象とした日本最大の展示会「東京ゲームショウ2023」が21~24日、千葉市の幕張メッセで開催された。マレーシアからは16社が参加。22日には、マレーシアのパビリオンにマレーシア・デジタル経済公社(MDEC)のマハディール・アジズ最高経営責任者(CEO)やアヌワ・ウズィル駐日マレーシア次席大使も激励に訪れた。

MDECと共催でブースを出したマレーシア貿易開発公社(MATRADE)の担当者によると、ブースは2020年を除き、17年から毎年開設しており、今年で6回目。マレーシアの企業は、集英社やKADOKAWA(カドカワ)といった出版社を通じたRPG(ロールプレーイングゲーム)の販売やコンテンツ提供のほか、パチンコ店などとも協業しているケースが多いという。

マレーシアの強みについて、MDECのアジズCEOはNNAに対し、「マルチカルチャー(多文化)のユニークさ」や、東アジア以外では世界で最も中国語の話者が多い国であることを挙げた。

MDECのモハン・ロー・ディレクター(デジタルコンテンツ開発担当)は、「(マレーシア人が)米国のディズニー映画や日本のドラえもんなど、東西のコンテンツに慣れ親しんでいることに加え、マレーシア自体がイスラム教の影響を含め多文化であることが、各国の制作・販売企業のニーズに応え、新たなコンテンツを生み出す源泉になっている」と話す。

業界関係者によると、ゲームの場面に使われる日本のアニメーションのようなソフトなタッチが得意な制作会社が多いのがマレーシア企業の特徴だという。複数のマレーシア人出展者は「子どもの頃から日本のアニメになじんでいた」と話した。

ゲーム開発のマグナス・ゲーム・スタジオは、世界で10万本を売り上げたRPG「リ・レジェンド(Re:Legend)」に次ぐ新作への協力や売り込みを行っていた。リ・レジェンドは1本29.99米ドル(約4,500円)で販売されているという。

日本でのRPG展開を狙うIXIクリエーティブの担当者=22日、千葉市(NNA撮影)

ソフトウエアやアプリ開発のIXIクリエーティブは、マレーシアの学校を舞台としたRPGの発売を計画。共同創業者のラクソン氏は、日本での販売協力パートナーを今回の出展で見つけたいと意気込んだ。「ゲームショウでは同業他社のブースもコンテンツ作成の上で、良い刺激になった」と語った。

■24万人が来場

4年ぶりに幕張メッセ全館を利用して開催されたゲームショウには、過去最多となる44カ国・地域から787の企業・団体が出展した。総来場者数は24万3,238人だった。ただ、アジアで国・地域のブースを本格的に設けたのは、マレーシア以外に韓国と中国・四川省など一部にとどまった。

業界関係者によると、ゲーム関連の国際展示会では中国で行われているものが世界最大級。ただ、中国政府が21年以降、ゲーム業界に対して規制を強化したため、「中国外で世界の関係者が交流する場として東京ゲームショウの存在感は高まっている」(同関係者)という。

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