●住民、放棄地17アールで栽培
氷見市上余川の耕作放棄地に広がる秋咲きのヒマワリが見頃を迎えた。地元の久保地区農村環境保全協議会が2014年から景観美化として取り組む。10年目の今年度でいったん一区切りとなる見通しで、有終の美を飾る黄色い花のじゅうたんが住民やドライバーを来月10日ごろまで楽しませる。
上余川は山あいの集落で、ヒマワリ畑は県道南側の10アールと7アールの2カ所。県道から見下ろすように眺められる。久保地区の住民が集落を訪れる人を花で迎えたいと考え、国、県、氷見市の多面的機能支払交付金を活用して栽培に取り組んだ。
ヒマワリ栽培は試行錯誤の繰り返しだった。最初の3年は背が高い品種に取り組んだが、除草や畝作りなど作業の手間がかかるのが悩みだった。4年目から別品種に変えたが、花が思うように咲かなかった。ヒマワリ以外ではコスモスを植えたこともある。8年目の2021年からは他市の事例を参考に、秋ヒマワリに切り替えたところ、見ごたえある花園が実現した。「インスタ映え」する場所として広まり、写真愛好者が訪れる花の名所になった。
●作業負担が影響
久保地区は約20世帯の集落。畝作りや種まき、除草の作業負担を考慮して、新たな事業期間となる来年度についてヒマワリ栽培を継続する方向にはなっていない。
協議会の的場政廣代表は「今年は昨年以上にいい花が咲いてくれた。来年は継続は難しい状況だが、復活できることを願っている」と話した。