クマ襲い71歳男性重傷 神通川で釣り中

男性がクマに襲われた現場周辺=富山市小羽

  ●富山・下タ林

 28日午前11時20分ごろ、富山市下タ林(したばやし)の神通川で、釣りをしていた男性(71)がクマに襲われ、左腕や左肩に全治1カ月のけがを負った。市職員などによる捕獲隊が出動したが、捕獲できなかった。富山県内での人身被害は今年2件目、2人目で、県は同日、今年初めての県ツキノワグマ出没警報を発令した。

 県によると、男性は成獣1頭に左前腕をかまれ、左肩を引っかかれた。市によると、クマは男性を襲った後、右岸側の下タ林から左岸側の富山市小羽に川を渡り、上流方向へ逃げたとみられる。現場周辺の神通川にはアユ釣りをする人が多く訪れる。

  ●前日も目撃情報

 27日午前11時45分ごろには、現場から数百メートル離れた富山市春日で成獣1頭が目撃されており、県は同一個体の可能性もあるとしている。

 県は、秋は冬眠に向けクマが活発に行動する時期だとし、朝夕の不要不急の外出や農作業を控えることなどを呼び掛けている。県ホームページでは県ツキノワグマ出没情報地図「クマっぷ」を公開している。

 市や警察が現場周辺をパトロールし、住民に注意喚起した。パトロールは29日も行われる。

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