バルセロナの審判贈収賄疑惑が再注目…ラ・リーガ会長「降格させられない」発言の真意とは?

写真:バルセロナに“落ち着いた時間”は存在しない…? ©Getty Images

バルセロナが審判への贈収賄疑惑、通称“ネグレイラ事件”でスペインの裁判所に告発された。

“ネグレイラ事件”とは、バルセロナが2001年から2018年までの約17年間にわたり、審判技術委員会(CTA)の前副会長だったホセ・マリア・エンリケス・ネグレイラ氏の所有する会社に700万ユーロ(約11億円)以上とも言われる金額を支払った嫌疑がかけられている問題のこと。

クラブ側、ジョアン・ラポルタ会長はこの疑いを完全に否定しており、今年2月には「プロの審判に関する技術報告書を提供する外部コンサルタントへと報酬を支払った」と声明を発表している。また、声明内では「プロサッカークラブでは一般的な慣行である」という主張もなされている。

世界的に名前の知れたクラブの嫌疑とあって、この問題はスペイン国内のみならず国外でも大きな注目を集めている。イギリスの大手通信社『ロイター』は、スペインの裁判所がCTA内の「組織的汚職の可能性」に対する捜査の一環として、28日にマドリードのスペインサッカー連盟(RFEF)本部内にあるCTA事務所を家宅捜索したことを大々的に報じている。

また、イギリス紙『メトロ』は、裁判所で“ネグレイラ事件”の捜査を担当しているホアキン・アギーレ判事が9月上旬に「ネグレイラ氏が試合結果にまで影響を与えるべく審判員に報酬を支払ったという証拠は今のところ見つかっていない」と述べたことを伝えている。

28日には、“ネグレイラ事件”について質問を受けたラ・リーガのハビエル・テバス会長の発言も注目された。同会長は「ネグレイラ氏には、支払われるべきでないまったく不正な支払いが行われた形跡がある。それが意図的なものであったかどうかは、今後明らかにされなければならない」とコメント。また、リーグからの降格といった厳しい処分の可能性については、次のように語っている。

「もし有罪となった場合、ラ・リーガはバルセロナを降格させることはできないだろう。これらの案件は行政レベルで管理されているため、私たちには何かをする権限がないからだ。もし私たちが介入できていたのなら、懲罰ファイルが作成されるなり、社会的な裁判にかけられるなりしていただろう」

「警告から降格まで幅広い判断がある。しかし、繰り返すが行政レベルで管理される案件であるため、私たちは(降格処分などを)行うことができなかった。だからこそ、刑事分野というものがあるのだ」

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