気象予報士の特別授業 台風接近時の「タイムライン」作成

足立区の小学校で、身近な天気や防災を学ぶ特別授業が行われました。参加した児童は、台風の接近時にどのタイミングで避難を始めればよいか、自分だけのタイムライン作成に取り組みました。

地球温暖化とそれに伴い激甚化する自然災害について、気象予報士の敷波さんの解説を真剣な表情で聞き入る子どもたち。

敷波予報士:「みんなの家族とか、親戚とか一緒に住んでいる人の状況によっても変わってくると思うので、それを考えていきたいと思います」

台風接近に合わせてどのタイミングで避難の準備を進めるかを決めておく「タイムライン」の作成では、高齢者や小さい兄弟がいる場合、時間を早めて避難を始めたほうがよいことなどを学びました。児童たちは理科でちょうど天気の分野を勉強したばかりということで、今回の特別授業はさらに学習を深めるいい機会になったようです。

参加した児童:「(地球温暖化の)対策をしなかった場合はすごく暑くなってしまって、大変なことになると知った」

5年生担任 飯沼教諭:「今日のことを家でも話すと思うので、マイタイムラインも併せて話してもらいたい」

ここからは気象予報士の敷波「先生」とお伝えします。足立区は水害のリスクが高い地域ということもあって、ハザードマップも見たことあるよという子も多く、マイタイムラインもしっかりと自分の家族構成を思い浮かべて書き込んでくれていました。

そして今回の授業では先日の足立区長の会見を受けて、急遽、今年全国で発生している「線状降水帯」への備えについても子どもたちに伝えました。

近藤区長は会見の中で、今年6月に発生した台風2号接近時の対応の不備を認めました。台風2号の時は、台風が関東からまだ離れているタイミングで関東地方に線状降水帯の発生予測情報が発表されたこともあり、深夜の参集で庁舎に来られなかった職員が出たり、避難所の開設ができませんでした。こうした状況を受け足立区では、すでに線状降水帯発生に備えた体制を整えたほか、主にFAXで連絡を取っていた河川事務所との連絡手段を、常時WEB接続してオンライン会議がすぐにできるようにしたということです。

年々予測の精度があがったり災害発生リスクの上昇などで、気象庁や環境省などが発表するようになります。半日前に線状降水帯の発生予測を伝える情報は去年6月から、来年の春からは熱中症警戒アラートよりもさらに高い警戒を促す「熱中症特別警戒情報」の運用が始まります。

こうした有益な情報も、受け取る側が知らなければ避難につながりませんので、今回のような特別授業などで広くお伝えしていければと思っています。

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