佐世保の写真館・森白汀 創業85年でアーケードから移転 広さ2倍、アンティークな雰囲気に

新たに移転オープンするフォトスタジオ森白汀でサービス向上を目指す内海社長=佐世保市早岐3丁目

 長崎県佐世保市栄町のフォトスタジオ森白汀(はくてい)はコロナ禍を経て、新たなサービスを提供しようと、今月末で三ケ町アーケードでの営業を終え、10月13日に同市早岐3丁目の新店舗に移転オープンする。内海暢邦社長(48)は「みんながコロナで家族、友人の大切さを再確認した。生活様式も変化する中、お客さまの感動を演出したい」と思いを語る。
 1938年に潮見町で創業し、今年10月で85周年を迎える。49年から栄町で営業。内海社長は3代目として“町の写真館”の歴史を引き継いでいる。
 業務は家族やブライダル、学校関係の記念写真などが中心。コロナ禍で各種行事が自粛され「家族や友人と会えなかった時間を踏まえ、思い出づくりに役立ち、大切な一瞬を形に残したい。新たなステージへと進化したい」と説明する。
 新店舗は自動車教習所などを展開するヒューマングループ(同市)が運営する複合施設の2階。スペースは約200平方メートルで、写真スタジオの広さは現在の約2倍。木造の開放感やアンティークな雰囲気、自然光の活用が魅力となる。庭での撮影も可能で、駐車場も備えている。
 衣装もこれまでの子ども服に加え、成人式やウエディングなど幅広い世代を想定して充実させた。「いろんな人生の節目に対応できるよう、サービスの質、撮影のクオリティーを上げたい」と思い描く。

三ケ町アーケードで利用者から親しまれたフォトスタジオ森白汀=佐世保市栄町

 玄関上のフィルムのオブジェが築いてきた歴史を物語る現在の店舗には、利用者への感謝の気持ちと移転を伝える貼り出し。「祖父、父親の代から世代を超えて多くの人に利用してもらった歴史、経験は宝物。これからも佐世保に根付いた信頼と品質を守りながら成長したい。お客さまの笑顔と満足が最大の喜び」と新たなスタートの決意を語る。


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