路上でも、ちゃっかり商売 飛ぶように売れる中国旗

競技場の外では中国の小旗を売る人が目立つ=杭州市内(杉山圭一郎撮影)

  ●一瞬で電子決済、警察官と「熱戦」

 【杭州=杉山圭一郎】アジア大会の競技場周辺で大量の中国旗を持ったおじさんやおばさんを見かける。母国の応援団を気取って無料で配っているのかと思いきや、有料だった。人が集まるところに商売が生まれるというが、アジア最大のスポーツの祭典ともなれば、路上ビジネスも盛んなようだ。

 杭州オリンピックセンターはバスケットボールや水泳の競技場が集積する一大拠点。最寄りの地下鉄の駅から入場口まで約500メートルの歩道には「旗売りおじさん」が人混みに紛れるようにして客を探していた。

 その様子をしばらく見ていると、これが飛ぶように売れている。注文の数だけ旗を渡すと、ポケットからQRコードが掲載されたカードを取り出し、一瞬で電子決済完了。さすがは電子マネー大国だ。現金で払う客はいなかった。

 値段を聞くと「10人民元」と言うから、日本円で約200円だ。すかさずQRコードを差し出されたが、買わないと分かるときびすを返して去って行った。周辺には警察官もたくさん立っており、旗売りはその場を離れるように促されるものの、しばらくすると戻ってきた。「通行の妨げになるから注意している。それの繰り返し」と警察官。競技場の外では、終わりのない「熱戦」が繰り広げられていた。

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