大分と愛媛、アート通じ交流さらに 元地域おこし協力隊員ら、伊方町で企画【大分県】

公開制作でのっけむしさんが大分と愛媛をイメージして制作したオブジェ(Kaikyoカーニバル実行委員会提供)=愛媛県伊方町
漂着物の発泡スチロールなどで作品を制作するのっけむしさん(Kaikyoカーニバル実行委員会提供)

 【大分】大分、愛媛両県の交流を深めるアートプロジェクトが23、24の両日、伊方町の旧塩成小などであった。両県の地域おこし協力隊のOB・OG、現隊員の有志でつくる実行委員会が来年3月に大分市で開催を予定する「Kaikyoカーニバル」の関連イベント。両県のアーティストによる作品の公開制作やマルシェを通じて来場者と触れ合った。

 カーニバルは今年3月、同実行委が「海を隔てた隣県の人と人、心と心をつなげよう」と同町で初めて開催。両県の特産品や飲食物の販売、ステージイベントなどで交流を深めた。

 その後、大分市の元協力隊員で実行委副会長の中村浩人さん(58)が、旧塩成小の校舎が閉校後、使用されていないことを知った。「両県の交流をより深め、過疎化が進む同地区の活性化にもつながれば」と今回のプロジェクトを提案。

 企画などは大分市の野津原地区を拠点にアートプロデュース活動をする元協力隊員の泊麻未さん(29)が担当した。

 7月に関係者や住民らで旧塩成小近くの海岸と校舎を清掃。プロジェクトの両日は、両県のアーティスト5人が海岸の漂着物で作品の制作やワークショップをした。マルシェでは実行委がカボスと愛媛特産のヒョウカンのコラボレーションソーダを売り出した。

 大分県から参加したアーティストは、のっけむしさん(美術作家)、手島恵子さん(消しゴムはんこアーティスト)、森本凌司さん(テキスタイルアーティスト)。

 のっけむしさんは発泡スチロールをロープで組んで顔を描いたブイを載せ、カボス、ミカン、両県の海と山をイメージしたオブジェに仕上げた。「来場者との会話も楽しく、作品からいろんな想像をしてもらえたらと思いながら制作した」

 制作過程や活動の様子は、来年3月のKaikyoカーニバルの会場で動画を流す予定。

 中村さんは「大分市は行政が芸術を通じた地域活性化事業を展開するなどアート活動が活発。プロジェクトでできた愛媛のアーティストとのつながりを生かし、大分でもアートイベントができたら」と話した。

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