7分で複数点盗み出す 宇都宮玩具店強盗致傷事件 4人組か、下見済みの可能性も

棚の上から商品を持ち出す男たち。店の防犯カメラ映像に様子が映っていた=26日未明、宇都宮市鷺の谷町(店主提供、画像は一部加工しています)

 宇都宮市鷺の谷町の玩具店で26日未明、プラモデルなどが奪われた強盗致傷事件で、店内に侵入したのは4人組の男とみられ、7分ほどで複数のプラモデルを盗み出していたことが29日までに、捜査関係者への取材や店の防犯カメラ映像などから分かった。映像には男たちがライトを手に店内を移動し、商品を運び出す様子が映っていた。県警は男たちが下見をするなどし、高額な商品の場所を把握していた可能性もあるとみて捜査している。

 事件は26日午前2時45分ごろに発生。防犯カメラには乗用車が店の前を通過する様子が映っていた。少しすると、黒いマスク姿の4人組が店の前に現れた。1人が先に店内に侵入。正面側に回って鍵を開けるようなしぐさを見せた後、他の3人も店内に入った。

 4人は店内をライトで照らしながら、所狭しと陳列された商品を物色。落ち着いた様子で歩き、棚の上にある商品に手を伸ばして両手で抱え、次々と持ち出した。侵入から店外に出るまで7分ほどだった。

 店主男性(55)によると、盗まれたプラモデルは「機動戦士ガンダム」や「宇宙戦艦ヤマト」などで、既に生産が終了している商品もあった。被害は十数点で最高額は約5万円という。

 防犯カメラ映像を見た店主は「行動の動線は最短距離に見えた。目利きで、かなり下見をしているのでは」と推測。「商品は自分の一部のように大切なもの」と怒りをにじませた。

 事件当時、店主は自宅で就寝中で、防犯カメラと連動するスマートウオッチの通知で異変に気が付いた。店の様子を見に行き、乗用車内に複数の商品が積んであるのを目撃。男たちに殴られたり、踏みつけられたりし、「あと数分暴行が続いたら、死ぬなと思った」と振り返った。

 県警はプラモデル好きのマニアが関与している可能性も視野に、男たちの行方を追っている。

 一方、県警は、強盗事件では犯人が刃物やバールなどの凶器を持っているケースがあるため、「接触するのは危険。警報が鳴ったらまずは110番してほしい」としている。

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