即応病床114床に/青森県、コロナ医療変更あすから/治療薬は一部自己負担

 青森県は29日、新型コロナウイルス感染症の10月1日以降の医療提供体制や、患者への公費支援の変更点を示した。国の制度変更に伴い新型コロナの高額治療薬に一部自己負担が生じるほか、入院医療の公費支援も減額となる。国の補助金対象となる確保病床(即応病床)の範囲が、重症や重い中等症患者向けに狭まる。県は、県内全体での即応病床を多い時期で114床と算出し、医療機関ごとに割り当てる。

 ラゲブリオなどの新型コロナ治療薬は高額で、県によると一連の治療に使う分の薬価は、ラゲブリオで約9万円かかる。これまでは高額医薬品は全額公費負担の対象となっていたため、患者の自己負担はゼロだった。10月1日からは医療費の自己負担割合に応じて、3割負担の人は9千円、2割負担者は6千円、1割負担者は3千円を治療薬分として支払うことになる。

 入院費は、毎月の自己負担額に上限を設ける「高額療養費制度」の対象だが、同制度適用後の軽減額が、従来の2万円から1万円に減る。

 県内の即応病床数は、国が示した計算式を基にして県が算出した。軽症者も含めた県内の入院者数が、今夏の感染拡大局面に近い227人を超えた場合、重症や重い中等症患者向けの即応病床を29床確保する。今夏のピーク時並みの入院者数341人に達した場合は、即応病床を114床に拡大する。

 県の千田昭裕新型コロナウイルス感染症対策監は「引き続き、必要な人が入院できる体制を維持し、幅広い医療機関で受け入れられるような体制を目指す」と説明。治療薬の自己負担については「今までと異なり負担が発生するので、窓口での支払いを忘れないよう注意してほしい」と話した。

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