広島が電光石火の大逆転で名古屋を3発撃破! 8年ぶりJ1制覇へ望み繋ぐ【明治安田J1第29節】

30日、明治安田生命J1リーグ第29節のサンフレッチェ広島vs名古屋グランパスがエディオンスタジアム広島で行われ、広島が3-1で勝利した。

8年ぶりのJ1制覇へ可能性を繋ぎたい7位・広島。第27節で首位のヴィッセル神戸に勝利し勢いに乗ったはずだったが、前節は京都サンガF.C.に敗戦。今節迎え撃つ名古屋には夏まで背番号10を背負っていた森島もおり、黒星は許されない。

対する4位・名古屋も優勝戦線になんとか踏みとどまるなか、リーグ戦5試合未勝利と完全に停滞。勝ち点「3」差の広島に敗れれば順位を中位まで落とすこととなり、アウェイでも白星が欲しいところだ。古巣対戦の森島もスタメン出場する。

クラブがその歴史を紡いできたエディスタでの試合も今節含め残り3試合。広島は開始7分、満田のFKにピエロス・ソティリウがヘディングで合わせたが、惜しくも右ポストを直撃する。

15分には名古屋の決定機。カウンターからゴール前でキャスパー・ユンカーの落としを受けた前田が左足を振り抜くも、シュートは広島の日本代表GK大迫に正面でセーブされる。

広島は27分、塩谷から縦パスを受けたマルコス・ジュニオールが名古屋GKランゲラックとの一対一を制してネットを揺らす。しかし、オフサイドの判定でゴールは認められない。

名古屋も30分、ボックス内まで侵入した野上が後ろから倒されたように見えたが、主審の笛は鳴らず。ここまでゴールレスとは言え、攻守の入れ替わりが激しい好ゲームだ。

36分、広島は川村が自慢の左足で魅せる。ゴールまで約30mの距離から放った弾丸ミドルはクロスバー直撃。堅守の名古屋を崩し切るのは容易ではなく、遠目からもゴールを狙う。

名古屋は川村のシュートで肝を冷やした直後、日本代表DF森下がファウルでイエローカードを提示され、累積警告により次節出場停止となってしまう。

すると広島が再びネットを揺らす。40分、CKのセカンドボールを拾って最後は中野が右足シュートを流し込んだ。しかし、オフサイドポジションのソティリウがプレーに関与したとして、またしてもゴールは認められなかった。

均衡を破ったのは名古屋。57分、後半頭から出場の永井が前を向くと、最終ライン背後にスプリントするユンカーへラストパス。前節約2カ月ぶりにゴールを決めたストライカーは、GK大迫の頭上を越す芸術的なループシュートを流し込んだ。

追う立場となった広島は63分、ソティリウを下げてドウグラス・ヴィエイラ、マルコス・ジュニオールを下げてエゼキエウを投入。攻撃の圧力を強めていく。

しかし、今季の名古屋は先制した15試合で10勝5分けと無敗。広島は投入したエゼキエウが中盤で攻撃のアクセントとなるも、名古屋を崩し切るには至らない。

広島のスキッぺ監督は堪らず再び2枚替え。71分、今度は志知を下げて東、中野を下げて越道を投入すると、この采配がズバリ的中した。

72分、広島は2枚替えを敵陣左サイドからのスローインでリスタートし、中央のエゼキエウを経由して素早く右サイドへ展開。さっそくファーストタッチの越道が仕掛けてクロスを上げると、加藤が頭で合わせてネットを揺らした。

勢いに乗った広島は76分、ドウグラス・ヴィエイラがボックス内で後ろから倒されてPKを獲得。自らキッカーを務めたドウグラス・ヴィエイラは冷静にゴール右隅へ沈め、電光石火の逆転劇となった。

さらに85分、自陣でのボール奪取からカウンターを仕掛け、越道がクロスを上げる。ファーで受けた加藤の右足シュートがブロックされて浮き玉のボールがこぼれると、反応したエゼキエウが渾身のヘディングシュートを流し込んだ。

スキッペ監督の送り込んだアタッカーが次々と結果を残した広島。15分弱で3ゴールを叩き込んだチームは2点リードとなっても出足の鋭さが衰えず、最後まで名古屋の反撃を許さず3-1で勝利。J1制覇へ望みを繋ぐ大きな勝ち点3となった。

名古屋は痛恨の黒星。これで6試合白星から遠ざかることとなり、順位も広島にかわされて6位転落。優勝戦線から一歩後退した。

サンフレッチェ広島 3-1 名古屋グランパス
【広島】
加藤陸次樹(後27)
ドウグラス・ヴィエイラ(後36)
エゼキエウ(後40)
【名古屋】
キャスパー・ユンカー(後12)

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