西郷隆盛の書簡見入る 高岡市立博物館常設コーナー

書簡を眺める来場者=高岡市立博物館

 高岡市立博物館の常設展お宝コーナー「国泰寺のお宝(2)西郷隆盛の書簡」は30日、同館で始まった。同市太田の臨済宗国泰寺で見つかった西郷の書簡が展示され、来場者は西郷が本音をあらわにした内容に見入った。

 書簡は1869(明治2)年3月20日付で、西郷が一時潜伏した際に世話になった奄美大島の役人・得藤長に宛てた。西郷は戊辰(ぼしん)戦争の江戸や新潟への出陣を報告し、隠居するつもりだったが薩摩藩から藩政改革などに取り組む「参政」に任命されたことや、弟・吉二郎の戦死について「私がまず戦死すべきところを弟を先立たせてしまい涙を流しているばかり。悲しみをお察しいただきたい」と記している。

 来場者は書簡の内容や筆跡に見入った。市立博物館に親しむ会の呈茶席も行われ、裏千家・西宗範社中が来場者をもてなした。11月26日まで。

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