第三のビールまとめ買い 1日から食品値上げ、県内量販店駆け込み

10月の酒税改正で値上がりする第三のビールの特設コーナー=富山市内の量販店

 1日からの酒税改正で「第三のビール」の店頭価格が上がるのを前に、富山県内の量販店などでは駆け込みの購入が見られた。食用油など4500品目以上の食品が値上がりすることになっており、買い物客からはため息も聞こえた。

 「前日に補充したのにかなりケースが減っている。値上げを気にする人は敏感で、けっこう買われていると思う」。富山市豊田本町1丁目の量販店「ジョイフルシマヤ豊田店」では第三のビールの売れ行きが目立ち、担当者がこう話した。

 同店では第三のビールの特設コーナーを出入り口と酒類の売り場に設けた。1ケース購入した市内の70代無職男性は「9月はすでに2ケースをまとめ買いし、これが最後の一押し」とレジに向かった。同市の50代会社員男性は「どれだけの値上げかよく分かっていないが、少しでも得したい」と2ケースを手に取った。

 酒税改正では、ビールや発泡酒に比べて割安だった第三のビールの税額は、350ミリリットル当たり9円上がる。店頭価格も同程度上昇する見通しで、350ミリリットルが24本入った1ケースは200~300円高くなる。

 調査会社の帝国データバンクによると、10月に値上げされる食品の品目数は前年同月と比べると半減するものの、今年9月からは2倍以上に拡大。円安などによる原材料価格の高騰が要因となっている。

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