B1川崎・ファジーカス今季引退 無形の財産次世代に 10月5日開幕

出陣式で今季限りの引退を発表した川崎のファジーカス=9月16日、川崎市とどろきアリーナ(川崎ブレイブサンダース提供)

 バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の川崎で前身の東芝時代を通じ、12年間プレーしてきたニック・ファジーカス(38)が10月5日から開幕する2023-24シーズンを最後に引退する。5年前に日本国籍を取得し、45年ぶりの東京五輪切符獲得にも貢献するなど、日本バスケットボール界への功績は計り知れない。川崎一筋のビッグマンがもたらす無形の財産は次世代に継承される。

 9月16日のプレシーズンゲーム最終戦。試合後に行われたチームの出陣式で、ファジーカス本人が引退を表明した。体力、精神面ともに選手として引き際が近づいていることは誰よりも分かっている。「60試合、一番高いパフォーマンスを維持できるのは今年が最後かなと思った」

 米・コロラド州出身。大学卒業後にNBAのマーベリックスでキャリアをスタートさせ、ベルギー、フランスなど海外を渡り歩いて2012年に強豪東芝に加入。すると3季連続で得点王に輝き、16年に開幕したBリーグで初代MVPを獲得した。207センチの上背で3点シュートも得意とする万能型センターで、ブレイブサンダースの「顔」としてけん引してきた。

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