白鷹町で栽培したホップを使ったクラフトビールをお披露目する「天童温泉オクトーバーフェスト」が30日夜、天童市の旅館「湯坊いちらく」で開かれた。約90人のビール党らが参加、同町の槌谷謙滋郎さん(76)が栽培したホップを使ったビールを味わった。
同旅館が運営するビール醸造所「天童ブルワリー」では、昨年から槌谷さんが栽培したホップを使ったビールを造っている。今年はホップ収穫とビール造りを体験するイベントも行った。生産量が千リットルと少ないため店舗での販売はなく、同旅館などでの提供に限られる。来年以降の生産拡大と、ビールを生かした地域活性化につなげようと、DMC天童温泉(同市)と同旅館などが今回のイベントを企画した。
乾杯を前にあいさつした同旅館の佐藤太一専務(35)は「県内の生産者は減ってしまったが、上質なホップが採れる気候や土壌がある」と説明。会場には県内6醸造所のクラフトビールも並び、参加者は味の違いも楽しんだ。乾杯の発声を務めた槌谷さんは「『おいしい』という言葉や笑顔を直接もらうことが、これからの栽培の力になる」と話していた。