ウクライナ支援停止派が第1党へ 隣接のスロバキア議会選

スロバキアの首都ブラチスラバの投票所で、投票用紙を受け取る男性=9月30日(ゲッティ=共同)

 【ウィーン共同】ロシアが侵攻するウクライナに隣接するスロバキアで9月30日、国民議会(一院制、定数150)の選挙が行われ、同国統計局によると、ほぼ開票が終わった1日朝の段階で、ウクライナへの軍事支援停止や対ロシア制裁の見直しを主張するフィツォ元首相率いる左派スメルが第1党の見通しとなった。物価高騰などに直面する中、不満を持つ有権者を取り込んだとみられる。

 ただ単独過半数には届かないとみられ、連立政権樹立に向けた協議が今後の焦点。スメルが連立政権を発足させた場合、ウクライナ政策が大きく変わり、北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)の足並みの乱れにつながる恐れがある。

 一方で、ウクライナ支援への不満を高める有権者に訴える選挙戦術だった可能性もあり、ウクライナへの軍事支援や対ロ制裁を実際にどの程度見直すかは不明だ。

 スメルの得票率は約23%。支援継続の姿勢を示すリベラル派プログレッシブ・スロバキア(PS)は伸び悩み約18%で第2位。ペレグリニ元首相の中道左派「声」が続く。

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