秋祭りシーズン開始 1トンの屋台担ぎ、階段100段を駆け上がる 兵庫・稲美の草谷天神社

重さ1トンを超える屋台を担いで階段を駆け上がる氏子たち=稲美町草谷、草谷天神社

 兵庫県稲美町草谷の草谷天神社で1日、秋祭りが本宮を迎え、「布団屋台」を担いだ氏子が境内まで約100段の階段を駆け上がる宮入りがあった。新型コロナウイルス禍を経て、4年ぶりの宮入り。東播地域は秋祭りシーズンに入り、今年は多くの神社でにぎわい行事が行われる。(児玉芙友)

 草谷天神社の秋祭りはコロナ禍、神事のみ開催してきた。今年は、祭りを盛り上げようと集まった15歳から60代まで約80人が屋台を担いだ。

 この日、赤い座布団を重ねた布団屋台は午前中に地域を巡行し、神社のふもとに戻ると、正午過ぎに宮入り。住民らが見守る中、氏子たちが1トンを超える屋台を肩に担ぎ、階段に向かった。

 氏子たちは「ヨーイ、ワサッサー」のかけ声とともに歯を食いしばり、一段一段を踏みしめた。子ども会やシニアクラブのメンバーが階段の上から綱を引き、加勢した。約10分かけて境内に到達。そのまま周囲を1周し、本殿前で屋台を高々と頭上に掲げると、大きな拍手が湧いた。

 草谷地区と下草谷地区の子どもみこし2基も登場した。神事の後に獅子舞の披露もあった。祭りの総指揮を務めた大竹亮輔さん(35)は「久しぶりの祭りにたくさんの人が集まって、ほっとした。地区が一丸となれたのではないか」と胸を張った。

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